検察官 公演情報 劇団1980「検察官」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    モルドバの演出家による大胆でパフォーマティブな舞台。セリフは大幅にカットされている。人々の狼狽え、卑屈にはいつくばり、手揉みして賄賂を渡す様を目で見て、その愚かさを笑う。

    筋はよく知られた通り、無一文の青年を、みんなが検察官と勘違いして歓待する。青年が従者を持っているあたり、当時のロシアの階級差を示す。青年のホラ話の演説、市長の見るグロテスクな悪夢、順番におっかなびっくり賄賂する行列、最後の福祉院長の密告等々、単純な話を大袈裟に戯画的に、面白おかしく演じた。

    舞台上にずっと黒いマントに白塗りの男がうろつく。悪魔。最後のセリフに「なぜあいつを検察官なんて思い込んだのか。悪魔に誑かされたとしか思えない」とある。そこから発想した演出。その単純さはバカばかしいのだが、とにかくはっちゃけた舞台だった。
    休憩15分含む2時間50分。

    ネタバレBOX

    青年が去った後、彼の手紙から、みんなにその正体がわかる。自らの愚かさに気づいた後の後悔と意気消沈、怒りと苛立ちが見応えあった。それまでのバカらしさからのガラッと変わったシリアスさが響くのだろう。それまではただ愚かなだけの一面的馬鹿騒ぎ。このラストあっての名作だとわかった。。

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    2022/10/31 21:28

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