立飲み横丁物語 公演情報 劇団芝居屋「立飲み横丁物語」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い、お薦め。
    昭和の日本映画(界)を牽引した仁侠映画、その象徴的な言葉が「義理」と「人情」。そのヤクザの世界と縁を切った 正統派の的屋組合とその周りの人々のコロナ禍における悲哀と奮闘を描い物語。芝居屋は現代の「世話物」の創造を目指し「覗かれる人生芝居」というコンセプトの下に役者中心の表現を模索している。その覗かれる立場から、逆に庶民が見(置かれ)ている今の状況…コロナ禍、物価高そして戦争という台詞がポロッともれる。

    演劇という「見世物」だけではなく、そこには社会を冷静に見詰め、庶民が置かれている状況を過不足なく描く。芝居屋の公演は 表層的な解り易さだけではなく、ヤクザの世界とは違う地域や職域に密着した「義理」と「人情」という諦観と情感、それを役者の演技力で力強く そして魅力的に表現する。そこに芝居屋・演劇の真骨頂を観る。
    (上演時間2時間20分 途中休憩なし) 

    ネタバレBOX

    冒頭、立飲み屋のカウンター内で的屋の口上ー七味唐辛子のレシピを小気味よく喋る花村凛子(増田恵美サン)の観(魅)せる掴み。長台詞だが立て板に水のようで聞き惚れてしまう。そこに本当の的屋姿を見ることができる。
    舞台美術は、冒頭は立飲み屋のボトル棚やカウンター、そしてビールケースが置かれているが、開店と同時にビーブケースを3段に積み重ね立飲みらしいテーブルを作り出す。
    経営(高利貸しが絡んだ経営危機)や地域活性化といった庶民の暮らしが描き出される。まさしく芝居屋のスローガンそのもの。

    全体を通して分かり易く、現実にもありそうな物語。それに現在の地方都市が抱える地域事情を絡め、しかも人情と義侠ある人々で豊かに紡ぐ。その社会性と人間味を丁寧に描く公演は観応えがあった。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2022/10/28 18:14

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