【終演:ありがとうございました】JPN 公演情報 Not in service「【終演:ありがとうございました】JPN」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    自分の感性が乏しくなったのか。物語の世界は、何となくダークサイドということは分かるが、何を描きたかったのか。説明は分かり易いのだか、その舞台はシーンを細分化し過ぎてしまい、物語の大きな流れが掴めなかった。
    (上演時間1時間45分 途中休憩なし) 

    ネタバレBOX

    舞台美術、正面奥は柵に蔦のような葉が巻き付き、上部は金網で囲まれている。下手壁の何か所かは、色違いの場所がある。これが後々不気味な光景を表す。上演前は「王子の狐」の落語噺が流れている。

    説明の粗筋によれば、舞台は東京の北区に存在する広大な公営団地群。そこで梨屋日子は働いており、三人の元彼がいる。彼らは彼女に従いつつ、お互いに牽制したり協力しあっているよう。清掃・警備を行う人間たちは動画配信で、この公営団地を「自殺が頻発する団地」として紹介していた。ある日の深夜、梨屋は「フライ病」の少女を引き取ることになる。日本では、原因不明の「子供の身体が急激に青年化する」病気、「フライ病」が多数見受けられている。

    動画配信は、恐怖の都市伝説駅伝様…悪意の拡散・連鎖を思わせる。物語を展開する際、下手の壁にプロットと思われる内容の映像を映す。 これが自殺場所を表したものか?フライ病は、蔦のような葉で作った毒物=大麻等の危険ドラッグか?フライ病の少女は、いつも別の少女と一緒いるが、それが幻覚であれば納得できる。夜の徘徊、学習しているのか否かといった挙動不審な描き方である。そして逆さにした国旗掲揚などは、何を意味しているのであろうか?曖昧な情景…フライ病という病名と不安定・状況不明といったことから毒物、虐めが原因の自殺行為を連想する。同時に何時から現れたのか、そして捜査機関なのか犯罪組織なのか判然としない人々が登場している。

    混沌とした世界観、そこで何を表現したかったのか。上演前の落語が脳裏をかすめる。狐と人間の化かしあい。当日パンフに「昔見た奇妙な夢、さまざまな枝葉をつけ、戯曲賞提出をゴール板に見たてて」とあったが、そんな人の曖昧さの世界を覗いたよう。
    次回公演、期待しております。

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    2022/10/16 20:50

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  • ご来場ありがとうございます。ご感想・劇評・大変励みになります。今後も公演を続ける予定ですので、何卒今後ともよろしくお願いします。

    2022/10/21 12:00

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