YOKOHAMA 3 PIECES 公演情報 theater 045 syndicate「YOKOHAMA 3 PIECES」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    地元神奈川の劇団が3作品持ち寄った公演だが、中々の充実度だった。
    もっともKAAT大スタジオの広さを埋めるための工夫と力量の必要も実感。密度が薄くなる。客席がやや寂しいのもそれに輪を掛ける。オムニバスという事で可動な舞台装置に限定されると、「広さ」がいや増し、声も吸われる。
    マイナス条件はともかく・・。まず、虹の素。横浜川崎でコンスタントに公演を打ち、青の素という若手公演も手掛けて「頑張っている」印象だが未見であった。実在する(した)生物に着目しドラマ化した舞台で、「なぜこの物語なのか」興味を惹かれる所だが、その「?」に答えるもう一つが欲しかった気がする(40分)。
    二つ目がG9プロジェクト、横浜で活動30年になる劇団との事で名前は知っていたがこちらもほぼ初めて。作品は「12人の怒れる・・」を高校版に翻案した短編(登場人物も12人)。素行の悪い生徒の処分を決定する会議を見届ける。シンプルで判りやすい芝居を、演者・観客共々如何に面白がれるか、要はアンサンブルを見せる演目とも言える。キャストの演技アプローチの不揃いが、徐々に珍味の域、逆に面白くなるが、締める所ではもう一つ締めたかった(約30分)。
    三番目が無論(?)私の目玉、theater045(約35分)。平塚直隆作品のナンセンス爆発の路線はその通りであったが、間抜けな男子高生のいじましい青春断章?が045がやるせいかハードボイルド色を帯び、作品にも合致していた。話が何やら妙な方向へ行き、伏線の台詞がラスト前でふいに輝き、「まさかあれをやるのでは」と確信した所(あれ、と言ってもあれを聴いた事はなかったのだが)、やっちまった時には腹が捩れた。その後に訪れる爽快感が忘れられぬ。(そういや昔斎藤晴彦という歌う俳優がいたなぁ)
    名作ヨコハマヤタロウから注目の劇団だが今回は継続に値する企画を打ち出した(theater045がやる所に意味がある)。他団体も巻き込みつつ是非続けて欲しい。(そのためには毎回theater045が秀逸な一本を提供せねばであるが...ところでこの劇団名の略称は無いものか。)

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    2022/10/16 00:10

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