ぴえろ 公演情報 タクフェス「ぴえろ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    前作でも思ったが、客いじりとサービスが尋常じゃない。ガチで観客に感謝して舞台を制作している。本気度に心から感心する。「そこまでしなくても」と客側が恐縮する程に。
    駅前で『顕正会』の婆さんが横断歩道に立ち、通る人全員に「有難うございます」と朝から頭を垂れている姿を重ねた。まるで『法華経』の常不軽菩薩を目指しているが如く。
    生の舞台の面白さを啓蒙しているような劇団。小学生の子供達が家族で毎年楽しみに来ている物凄さ。

    蔵前の寿司屋に盗みに入った二人組、突然バットで殴られて気を失う。目を覚ますと自分の歓迎パーティー。どうやら他の誰かと勘違いされているらしい。何となく話を合わせてずらかる算段を講じるが・・・。

    登場人物のキャラが立っていて面白い。大衆演劇の中にかなり捻った工夫が練り込まれている。
    是非観に行って頂きたい。

    ネタバレBOX

    宅間孝行氏(二役)は喋りは宮迫調、役柄は三又又三っぽい。悪党キャラをやる時の右手の震えなんかが効いている。
    佐野和真氏はカッコイイが、キャラの立ちがイマイチで勿体無い。
    浜谷健司氏(二役)は巧い。お笑いの強み、客席の空気感を鷲掴み。
    柴田理恵さんとモト冬樹氏は返しの一言で必ずどっと笑わせる。柴田理恵さんの会場人気は凄かった。
    鈴木紗理奈さんはいつも通り、そのまんま。
    太田奈緒さん(二役)も彼女だと気付かない程、弾けていた。元NMBの誰かだと思っていた。口上が吉本新喜劇っぽい。
    竹内茉音(まりん)さんは健康的で手足が長い。
    三戸なつめさんの可愛いオーラが凄かった。

    風鈴のオチが分かりにくい。本当に数億円の価値があるのか?YouTubeのスピンオフを観ないと分からないのか。

    井上ひさしの『雨』と同じく、間違われた男を演じていく内にそこに生き甲斐を感じていくドラマ。他人の望む誰かを演じる過程で自身の心境にも変化が。人は他人の為にだったら変わることが出来る。(本来の自分を表現出来る?)

    もう少し粘れば大傑作になった可能性が残るプロット。ありきたりのネタだが勿体無さが残る。話の畳み方を逡巡して明らかに間違えている。誰を主人公として捉えるか、の話。秋子か春子か沢木かテルか?実はヤス目線が正しい気も。先にヤスが仕掛けに気付いておきながら知らん振りしている方法もあった。

    島倉千代子『愛のさざなみ』

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    2022/10/11 09:49

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