なくなるカタチとなくならないキモチ 公演情報 一般社団法人グランツ「なくなるカタチとなくならないキモチ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2022/10/10 (月) 14:00

    座席1階

    東日本大震災と原発事故で避難を強いられ、避難指示解除と同時に戻って再開した福島県楢葉町の障害者施設を運営する女性をモチーフにした舞台。知的障害者の俳優たちが所属する横浜桜座のプロデュース公演で、主人公の女性を歌手で俳優の南野陽子が主演した。

    南野陽子の小劇場での公演を初めて見た。丁寧で明瞭な発声でとても好感が持てる。小劇場の舞台ではやたらとシャウトしたりオーバーな発語をする俳優が多いと感じていただけに、まるでメロディーでも聞いているようなスムーズでさわやかなせりふが心に染み入った。役柄が障害者施設で利用者たちに相対する落ち着いた人だから、まさに見事な演じぶりだと言わざるを得ない。それに加えてアイドル時代をほうふつとさせる笑顔がよかった。
    彼女に引っ張られる形になったのか、ほかの俳優たちもしっかり役柄の個性を演じていて完成度は高いと思った。実際にあった話を下敷きにしていて、震災と原発事故による避難では障害者たちはその障害ゆえに苦難を強いられた。そうした事実をしっかりと描きながら、舞台に重苦しさを感じなかったのは俳優たちが足が地に着いた演技をしたためだろうと思う。
    ラストシーンがよかった。桜座のメンバーたちも含めた総出演で展開したメッセージの数々はとてもいい。
    障害の有無を超えて社会的な課題を考えていけるこのような舞台が、もっと増えることを願う。

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    2022/10/10 17:42

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