住所まちがい 公演情報 世田谷パブリックシアター「住所まちがい」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    どういう芝居なのか、事前のあらすじ紹介ではわからない。実はウイットとユーモアとコントと、あらゆる笑いを満載したコメディだった。イタリアの中世以来の伝統喜劇(日本でいえば狂言?)を現代によみがえらせたミラノのピッコロ劇場の座付き作家の台本を、日本に合わせて、見事にローカライズしていた。「リオデジャネイロの電話帳」が思いもかけない駄洒落になったり、「宇野千代」を「おひとりさま」の作者と間違えたり、と言葉遊びもふんだんにある。

    渡辺いっけいの演じる、遠い外国から帰国したゴローじいさんの話は一場の寸劇。結構長いが、スーツケースを忘れていたと、大真面目にまた最初からやろうとするので、さらに笑わせられる。

    いつもはアフタートークは見ないでさっさと帰る劇友が、今回は迷わずアフタートークに残った。それくらい面白かった。休憩なし2時間10分。あっという間だった

    ネタバレBOX

    お互いに別々の場所のつもりで、ここにきてしまった3人。実は自分たちは死んでいるのでは?というあたりから、シチュエイション・コメディーのようになる。そこに掃除のおばさん(朝海ひかる)が来て、社長(仲村トオル)が「マリア様?」と思い込むからおもしろい。「息子は死んでしまって(十字架で)」「夫は大工ですよ」とおばさんのいうことが、イエスの人生と重なるから、みんなだんだん怖くなる。その勘違い(?)ぶりがまた笑える。

    白一色のセットを見て、ここに無関係の3人がやってきてという内容を重ねた時、サルトル「出口なし」のようだと思った。その予想は見事に当たったことになる。作者、演出家がサルトルを意識したかは不明。

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    2022/10/03 23:09

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