満足度★★★★
鈴舟ド真ん中
地方都市で酒屋を営み今は長男に店を任せている老夫婦が次男・三男・長女夫婦を呼び寄せた1日の騒動(と後日譚)を描いた「大家族系ホームコメディ」、別の言い方をすれば昭和40年代のホームドラマ、あるいはリアルタイプ「サザエさん」的な?
鈴舟(鈴置洋孝プロデュース時代を含む)ド真ん中と言おうか、家族愛に弱い身としてはまるで十字砲火を浴びているような…(笑)
冒頭の母の「永年連れ添っていると、自信に充ち溢れるようで怖がられることもあるほどの夫の声の中に優しさや弱気な部分も聞きとれる」(大意)なんてナレーションからもうホロリ。
以降は笑いの中に家族愛がたっぷり織り込まれており、「雨降って地固まる」的な孫娘の「できちゃった婚」騒動の落とし方もお約束気味とはいえ、逆に言えば定番・定石なワケで手堅くトドメ、みたいな。
ただ、熟年離婚でないことは判明する(ってか序盤から見え見え)ものの、その真相と結末はちょっぴりビター。
が、あの「遺言」によって湿っぽくならずに終わらせるのはやはり巧いと言うべきか。
あと、女性陣対男性陣が対立する構図に北野ひろしの『結婚契約破棄宣言』(93年)も思い出したり…
さらにタイトルに「コドモの顔」「プロレスの善玉」両方の意味が込められていることにも感心。