実演鑑賞
満足度★★★
巨木が立ち並ぶ大斜面を石段で上り下りし、その頂上には鳥居。日本の山奥で菰姿で現れた俳優たちが、「夏の夜の夢」を演じ始める、という趣向。最初は舞台上にもう一つ、一段高いステージが設けられている(ラストの職人たちの劇でもう一度使われる)。
この芝居の一番の場面は、やはり若い4人の男女のなじりあい。それまでは何となく活気不足だったのに、ヘレナ(堺小春)が「ひどいわ、ハーミア!」と、ぶちぎれた後の応酬は、文句なく面白かった(客席も笑いで沸いた)。ライム(押韻)を生かしたセリフから散文へ、その落差をよく示した瞬間だった。
職人たちも稽古中は全然さえないのに、馬子にも衣裳で、御前芝居となるとがぜんいきいきしたし、大いにおかしかった。
パック含む妖精が子役というのも演出の特徴。3時間10分(休憩25分含む)