血の婚礼 公演情報 ホリプロ「血の婚礼」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    強い感情を互いに持ちつつなじりあう花嫁とレオナルドの二人は、「嵐が丘」のキャサリンとヒースクリフのようだ。安蘭けいの肝っ玉母さんぶりが素晴らしい。早見あかりも長身で官能的な存在が、悲劇の中軸としての処女性と魔性とを兼ね備えて魅せた。男たちが主役の芝居のはずだが、なぜか女たちの方が印象に残る。男がどんなにあがいても、母なる女の大地のような命のつながりには勝てないということか。

    冒頭の母(安蘭けい)が花婿(須賀健太)に言うセリフ「ナイフなんて誰が発明したんだ。こんなものはない方がいい」が、悲劇への伏線になる。花婿と花嫁(早見あかり)の婚約と、花嫁の元カレのレオナルド(木村達成)と妻(南沢奈央)の不和(第一幕)。婚礼当日の祝宴のなか、花嫁とレオナルドが駆け落ちしてしまう(第二幕)。そして…

    音響、ステージング、徐々に壁をぶちぬいて入り口や窓にする美術など、第二幕までの前半で不穏な空気を高めていく。そして休憩後の第三幕は、緑の大樹がまばらに立つ、砂地の不毛の地に場面はガラッと変わる。舞台の奥までをさらして無機的な殺伐感が漂う。野次馬(コロス)の女たち、死の老婆、月(安蘭けい)と、シンボリックな登場人物が悲劇を目撃する。

    ネタバレBOX

    駆け落ちしたレオナルドと花嫁の、セリフだけではない、互いに離れようとしては引き戻される、ダンス的身体表現での二人の「愛憎」表現が見どころ。そして花婿とレオナルドのナイフ1本の決闘のクライマックスへ。4幕は母の家に戻って、女たちの嘆きと祈りで幕。和解はあったのだろうか?

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    2022/09/26 00:39

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