青ひげ公の城 公演情報 Project Nyx「青ひげ公の城」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    9月13日午後、東京・下北沢のザ・スズナリで上演されたProject Nyx(以後、ニクスと称す) 第24回公演、寺山修司『青ひげ公の城』を観に行った。これは、知人のマルチ・パーフォーマー若林美保が出演していた関係からである。
    この『青ひげ公の城』という作品は、シャルル・ペロー原作、バラーシュ・ベーラ台本によるバルトークのオペラとして有名な作品であるが、寺山はこのペローの原作を元に新たに脚本として書き下ろしたのがこの作品で、寺山演劇の集大成のような性格を持ったものである。新劇の劇団で上演される機会も多々あり、自分は数年前に非シス人という劇団が上演した際に観ているので今回が2回目。前回も、今回同様に若林美保が出演しているので出かけた次第であった。

    さて、有名な作品であるので改めて粗筋を書くのは止めておこう。
    見所は、ニクス率いる水嶋カンナがどんな実力派あるいは異彩を放つ役者を集めてきたか、そして演出の金がどんな大胆な演出を見せてくれるかという点であった。
    舞台全体を通しての流れを作る役目を担っていたのが、公の7人目の妻候補ユディット。演じたのは、「大人の麦茶」所属の今川宇宙。彼女のことは以前別の舞台で観て注目していた役者だった。今回ニクスという舞台でその魅力が十分発揮されたのでは無いかと思う。そのほかでは、第2の妻役ののぐち和美の存在感、第3の妻の浜田えり子の歌唱、エアリアルパーフォーマンスで魅せた第4の妻の若林美保など、どの妻達も独特も持ち味でその舞台空間を支配していた。そして、その個々の舞台空間の狭間を繋いでいたのが渋谷駿のマジックと、黒色すみれの音楽。毎回未知の役者の中からこれはという人物を見つけるのが楽しみな自分に取って、今回はコブラ役の一人を演じた染谷知里の名前を挙げておこう。そういえば、黒色すみれというデュオの存在を初めて知ったのもニクスの公演だった。新宿梁山泊とニクスは、魅力ある出演者の宝庫であるように思う次第である。

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    2022/09/24 15:47

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