実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/09/17 (土) 18:10
『三年前のリフレイン』という劇のチラシをCoRichで見た際、まず、そのチラシのデザインが変わっていて惹かれた。
また、内容もかなりぶっ飛んでいて、面白そうだったので、実際に観に行ったら、期待していた以上に、良い意味で裏切ってきて、気付くと作品世界に没入していた。
俳優と同じ名前にしてある主役の役名に妙なリアリティや、親近感を感じた。
また、全てに自信のない弱小ボクサー馬場清人が、とある試合をきっかけに、光の速さで動く超能力を手に入れたことによって、次々に試合に勝ち続け、スポンサーも付き、プロボクサーどころか、世界チャンピオンも夢じゃなくなっていくという展開に目が釘付けになった。
しかし、光の速さで動ける超能力を他にも、いくらでも使い道はありそうなものなのに、あくまでボクシング試合の時にだけ基本的には使うという主人公馬場の姿勢が面白かった。
また、彼の能力を利用しようと魔の手が近づき、時空を超えて人々の思惑が交差していき、実は新しくトレーナーとして入ってきて、何かと馬場を気にかけるふうな女の子西内由加が段々とサイコパスな本性が時々現れ、その西内が実は○○○○だったりと、謎が謎を呼び、劇の後半になるに従って、シリアスで、緊迫し、どんどん過酷で、味方だと思っていた人や、信頼していた人物が本性を顕にし、今までライバルだった人物が馬場を庇って殺されたりと、衝撃的で、予想もつかない展開に次々となっていく様に、いつの間にか魅入られていた。
タイムマシンとして登場する道具が時計型な上、年代や日付などを正確に紙に書いて時計の上に穴が空いているところに入れなければいけない上、さらに充電式というところが、どこか現実味がありつつ、ハイテクとは程遠い、いちいち面倒くさいシステムになっているのが、何だか面白く、共感出来た。
西内由加役の声優の植田ひかるさんが、本業は声優なはずなのに、そういうのをあまり感じさせないサイコパスな時とそうでないときの使い分けも含め、声はアニメ声だったものの、その熱量が演劇の俳優顔負けだと感じた。