くるみ割り人形〜マイキャスト〜 公演情報 東京バレエ団「くるみ割り人形〜マイキャスト〜」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    華やかな踊りと音楽
    年末になると上演が増えるバレエの「くるみ割り人形」。まだ11月の下旬だけど、もう年末といえばいえないこともない。物語がクリスマス時分の話なので年末に上演されるようになったらしい。
    クラシック音楽の世界で、ベートーベンの第九が年末に盛んに演奏されるのは日本だけのことだが、バレエのくるみ割り人形は海外でも年末によく上演されると、専門家のえらい先生が書いていたのを読んだことがある。
    この作品はチャイコフスキーの音楽がなによりも魅力的で、バレエの振付家なら誰でも自分流に振付をしたくなるのではないだろうか。実際、いろんな振付家によるいろんな版が存在する。
    私がこれまでに見たのはスターダンサーズ・バレエ団のピーター・ライト版、新国立劇場バレエ団のワイノーネン版、東京バレエ団のモーリス・ベジャール版、そして小林紀子バレエシアターの小林版。ついでにいえば、イデビアン・クルーの井手茂太版もある。
    演劇に例えれば、チャイコフスキーの音楽がいわば古典の戯曲で、さまざまな振付が芝居の演出に相当するのではないだろうか。
    今回見た東京バレエ団のはワイノーネン版。
    話の内容は主人公であるクララがクリスマスイブに見た夢の世界を描いたもの。他の版ではクララは単に物語の案内役で彼女自身はそれほど踊らないのだが、ワイノーネン版では物語だけでなく踊りの面でも彼女がメインになる。
    若手を起用するマイキャスト公演で主役を演じるのは佐伯知香。東京バレエ団の公演は何度か見ているから彼女を見るのもこれが初めてではないはずだが、やはりこうやって主役に抜擢されると見る側の注目度もちがってくる。今回は座席が2列目と近かったこともあり、彼女の顔もしっかりと認識した。
    体はけっこう小柄。なんとなく新国立劇場バレエ団の小野絢子に似ている気がする。細くて長い腕の使い方がとてもしなやか。前半の少女クララの役にはまさにぴったりだった。
    ワイノーネン版の場合、他の版では金平糖の精として後半に登場するお姫様キャラクターも少女クララが担当するわけで、その辺の演じ分けというか、踊り分けがむずかしいのではないかと思った。

    前半の1時間でドラマは終了し、後半の1時間はいわばダンス・ショーになる。耳なじみのある音楽が続く後半の楽しさはやはり格別。中国の踊りと前半のコロンビーヌ役の岸本夏未、ロシアの踊りの田中結子、フランスの踊りの村上美香らも印象に残る。

    ネタバレBOX

    配役だけ書いておきます。


    クララ:佐伯知香
    くるみ割り王子:松下裕次

    【第1幕】

    クララの父:柄本武尊
    クララの母:井脇幸江
    兄フリッツ:井上良太
    くるみ割り人形:中村裕司
    ドロッセルマイヤー:木村和夫
    ピエロ:高橋竜太
    コロンビーヌ:岸本夏未
    ムーア人:中川リョウ
    ねずみの王様:平野玲

    【第2幕】

    スペイン:奈良春夏-後藤晴雄
    アラビア:西村真由美-柄本武尊
    中国:岸本夏未-中川リョウ
    ロシア:田中結子-小笠原亮
    フランス:村上美香-河合眞里-宮本祐宜
    花のワルツ(ソリスト):矢島まい、渡辺理恵、川島麻実子、小川ふみ
                  長瀬直義、梅澤紘貴、安田峻介、柄本弾

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    2009/11/22 22:23

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