満足度★★★
笑いと涙の第4話がイイ
第一話「職員会議」 脚本:G2 演出:堤泰之
いわゆる職員会議ではなく劇中での呼称は「学年会」。生徒会執行部代表も出席する会議で、執行部代表の代理が緊急動議としてセクハラ教師を告発し…という内容は(最近の)G2らしからぬ作風がちょっと意外だが、ラフカットらしいニオイがして悪くない。
なお弁護士が教師を糾弾するシーンに『夜の来訪者(Inspector Calls)』を連想。
第二話「真夜中の太陽」 原案・音楽:谷山浩子 脚本・演出:工藤千夏
意図はよくわかるし、好きなタイプであるのに(と言うよりも「であるがゆえに」か?)「過去の友人たちと触れ合う生き残った女性」が今ひとつ活かされていないのがもどかしい。
第三話「アンデスの混乱」 脚本:鴻上尚史 演出:堤泰之
もしも日本人が「アンデスの聖餐」(映画『生きてこそ』を観て知っていた)の状況になったら、という着想に『12人の優しい日本人』を連想するもテーマとしては苦手。
そういえばこのテのハナシだと武田泰淳の「ひかりごけ」も思い出すが、アレに対してそんなに抵抗がないのは「食べること」そのものが主題なのではなく、その後に重点が置かれているからか?
第四話「父を叩く」 脚本・演出:堤泰之
うん、さすが名手堤泰之、文句ナシ。
入院している父を見舞った息子を中心にした笑いと涙の短編、的な。
息子がサインした色紙を見た父「何て書いてあるか読めんな」
息子「楷書だよ」
なんてところも上手い。
あと、「おっぱい~!」のシーンに映画『寝ずの番』を連想。