実演鑑賞
満足度★★★★★
「かわいいコンビニ店員」などというイメージで明るく楽しい作品を期待していた自分が馬鹿だった。
この作品はハラスメントとは何かということで、簡単に解決しない問題をリアルに誠実に描いている。
この作品中、誰も悪い人はいない、他の社員からやり玉にあがった女性社員さえ僕は過酷な職場環境の産物だと思えた。
全ての人が被害者であり、加害者ともなる。これが現実だ。
責任者役の男性がみんなをまとめようと開いた会議のシーンが圧巻。きれいごとを言いながら、みんなの意見を吸い上げるようなことを言いながら、でも誰も発言できない空気を作る。
ああ、こんなシーン、現実でいっぱい見てきたなあと思いながら胸が締め付けられた。
ひとつの演劇作品として今の時代を象徴する作品であり、役者陣の演技は見ごたえがあった。拍手を送りたい。