満足度★★★★
新しい視点
交通事故で記憶喪失になった男が、今迄の人生をリセットされた状態から、まっさらな視点で世界を見つめ直す。
そこに、ゴーギャンの名作を背景とした「運命」についてのCODEを絡めて行く。
今回の作品には、過去のアテンションプリーズ作品と比較しても、新しい視点・アイデアが沢山盛り込まれている。
・キャットウォーク迄も使った3次元的舞台構成。
・病院と怪しい画廊、基本的に2つのシーンを基軸に同時並行的に描いて行く構成。
・前作「マイハマ・バイス」にも導入していたダンサーが、今回は感情表現(嬉しいという気持ち等)や、状況表現(星の輝き等)に使用されていて、面白いと思ったし、効果的だった。
ストーリーにメッセージ性が強い所が、今迄の作品との違いでもある。
その分「マイハマ・バイス」に比べるとクールな印象で、泣かせる演出は弱いかもしれない。
とは言え、AIと元愛人が対峙するシーンには目頭が熱くなった。
こういう演出はいつも上手いと感心した。
2つのシーンがパラレルで描かれるため、最初はちょっと忙しいが、話が進むにつれ、どんどん引き込まれて行く。
新しい視点で面白く感動的な作品になっていると思う。