ナイゲン(R04年新宿版) 公演情報 feblaboプロデュース「ナイゲン(R04年新宿版)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    成程これが『ナイゲン』か。ワードとしては知っていて、よっぽど完成度の高い戯曲なのだろうと類推。到頭観る機会が来て興味津々。素直に面白かった。伏線回収を含めて見事に練られた脚本。何より演ってる役者陣が楽しそう。作者・冨坂友の母校、千葉県立国府台(こうのだい)高校に実際ある文化祭の内容限定会議、略称『ナイゲン』。自主自立を重んずる校風だった筈が段々と変容し失われていく流れ。冨坂は今作の「どさまわり」的キャラクターで闘争の日々を送ったようだ。

    MVPは「監査」の大槻朋華さん。今作で観るのは3回目だがびっくりする程良かった。表情とリズム感、テンポがいい。
    「議長」の河西凛氏。この人もいつ観ても良い。売れるんではないか。
    「文化副」の兼行凛さん。『青春高校アイドル部』でアイドルをやっていただけに目立つ美人。
    ヒールの「アイスクリースマス」の守谷周徒氏は若い時の布袋寅泰にやたら似ている。『INSTANT LOVE』の頃。
    「どさまわり」の坂本七秋氏は活動家顔。この人の存在感が作品の肝。
    演出の池田智哉氏が「おばか屋敷」で出演も兼ねた。この人のキャスティング・センスは絶妙で役者を見る目が本物。全ての出演者がその力量を発揮していた。
    それだけに寺園七海さんと長谷川智也氏の降板が残念。本当はどうなっていたのか観たかった。

    ネタバレBOX

    高校が舞台なだけに一番盛り上がるネタがチャラ男の浮気と尿意。ちょっと笑いの方向性に余りのれなかった。横暴な権力介入と対峙する姿勢を求める「どさまわり」。本来ならその流れで皆が一つになるのが定番なのだが、今作は新しくそしてリアル。“そんなことも同様に下らない”と学校側の要求を茶化して乗り切ってしまう。その終盤の痛快感が今作の人気なのだろう。

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    2022/08/21 09:21

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