満足度★★★★
爆笑しながら悲しくて落涙
大学生だけど体はおじさんの志賀くん(志賀廣太郎)を主人公に、誰もが経験したであろう青春の甘酸っぱさ、こっ恥ずかしさを、正視していられないほどせつなく、リアルに暴いてくれます。爆笑、失笑に悲しみの涙が混じってしまう、めちゃくちゃ刺激的な体験でした。エッチなシーンはちょい大人向けですが(笑)、多くの方に見ていただきたい作品です。
ハイバイお馴染みの演劇のお稽古シーンや劇中劇の構造も見事でした。演劇という嘘の中のそのまた嘘の中・・・という入れ子構造になった舞台を眺めながら、自分自身の「嘘」も改めて見つめ直すことができました。役者さんは狙いを定めた自然な演技をされており、その技量としたたかさに唸ります。
にやにやとうすら笑いや親しみを込めた表情を浮かべて、なるべく人間関係に波風を立てないようコミュニケーションをしていても、突然むき出しの本音が体全体から出てきて、誰かに鋭く刺さってしまう瞬間があります。たとえば一見静かそうな対話がそんな風にうねって、燃えて、ものすごい緊張感に支配される瞬間が、この「おねがい放課後」にはいっぱいありました。
いったい本音って出すべきなのか、出すべきじゃないなら嘘をつけばいいのか、そもそも会話って何を伝えて何を伝えていないのか・・・。私たちの「嘘」と「本当」について、いっぱい考えました。私の結論は、嘘も本当も全部本当ってことで、感じたままでいいのかな、と。それしかないかな、と。
売切れステージ続出中ですのでご予約はお早めに。初日は当日券が出そうな感じでした。追加公演決定⇒6月1日(金)15時~の回