HEISENBERG【Aキャスト全公演中止】 公演情報 conSept「HEISENBERG【Aキャスト全公演中止】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    孤独な魂の切ない触れ合いを描く。前半は小島聖の、恥隠しを秘めたハイテンションに引っ張られ、後半は平田満のいぶし銀の優しさに心動かされた。後味のいい芝居だった。

    ロンドンの地下鉄駅で女(小島聖)が、ベンチの初老の男(平田満)に突然話しかける。しかも首筋にキスして。とにかく喋り続ける女と訝しむ男。女は男の店(肉屋)探し当ててデートに誘い出し、レストランではセックスを持ちかける。事後、「たまってたの?」という女に。「いや。おれはマスターベーションの達人だから」といなす男。そして女は、男にある要件を持ち出す。最初から狙いはそれだった。女には別れた恋人との間に19歳?の一人息子がいて、家を出て今米ニュージャージー州にいる。男は芽吹いた恋心が砕けるのを感じつつ、男の思いがけない提案が女の心を開く。

    セットは簡素ながらも、ベンチやベッド、肉屋のカウンターなどを用いて、場面のリアリティを助ける。俳優が舞台奥で着替えるのも悪くない。

    男のセリフ「個性や人格なんてものはない。人は自分のしてきたことの集まりにすぎない」「人は自分が何かを気にしすぎだ。何をするかを考えたほうがいい」が、人生論として広がりがある。思わずメモしたいいセリフだった。平野啓一郎の分人主義にも通じる。

    りょうと上條恒彦のAパートを見る予定だったが、コロナでまさかの全部中止。急遽、当日券でBパートを見た。客席が6割の入りだったのは勿体なかった。

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    2022/08/19 09:01

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