満足度★★★★
マチソワで両キャストバージョンを
ピーター・シェーファーの『ブラック・コメディ』を日本に翻案したもので、8月のSAME∞LINEプロジェクト版が「翻訳もの外国戯曲」のお手本のような演出だったのに対してこちらはBOOGIE★WOOGIEテイストてんこ盛りのスラップスティック系。基本的には『ブラック…』と同じものながらポップでカラフル、ってか派手にバージョンアップされた舞台装置にもそんな違いが如実に現れており…。
時々やっているビンタや飲み物を相手に吹きかけるなどは序の口、バラエティ番組でお馴染みのクリームパイ(ナマの舞台では初めて見た)やバケツの水まで登場するくらいで、後からコンセプトはドリフと聞いて大いに納得。
また、BOOGIE★WOOGIE作品ではお馴染みのキャラ、出前持ちの島尻も登場して、ラストの一番オイしいところをさらうなんざ見事。
まさにSAME∞LINEプロジェクト版と表裏一体…っちゅうか、まず基本を見せてからそのバリエーションを見せる、な感じになるので両方観ると面白さは倍以上、的な。
で、過去2回の原典ではキャロル(本作では瑞穂:主人公の婚約者)側の目線で観ていたけれど、今回は終盤での麗子(原典のクレア)の長めの台詞以降、彼女の目線で観ることができて、あらま、そういう風に見れば比較的イイ話じゃん、などと新たな発見アリ。
同様に、今まではバンベルガー(本作の京極)の登場が遅すぎて全体のバランスが良くないように思っていたけれど、あれだけイジることでそこも改善された気がして。
さらに、あれだけの大騒ぎをした後なので、ラストの「神はおっしゃった、「光あれ」と」という台詞で点灯(実際の舞台は暗転)するのがより引き立つようにも感じられ、モロモロでコレが一番かも?
ま、3(&4)回目にしてやっと面白さがわかってきたというのもあるかもしれないが…。
でもやっぱり、乙に澄ましたお上品な喜劇より、ドタバタコメディの方が好きってことなのか?(爆)