西部の娘 公演情報 新国立劇場「西部の娘」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    うーむ。。。
    まず、演出家のホモキが持ち出したテーマ、移住者の心、祖国を失った者のテーマは、パンフレットを読むまでもなく、理解でき、また常にそこを底辺とした物語になっていて、しかも明確に描き出されていた点は感心する。終始一貫、根無し草的な人間が、ある仕事、ある事情で集うこと。移住の国。放浪が大いに許容される国。終幕に合唱で「もうあのふたりは戻って来ない」というところでは、テーマの対するひとつの回答が提出されていた。
    この、テーマに基づき、その文法で物語を語るという、演出家の手法は、常套であり、また正統でもあるのだが、この上演のように、単純明快に提出されている事例に出会うことは、あまり多いとはいえない。今回の上演がまるで底の浅いものと勘違いしてしまうくらいだ。

    ただし、ダンボールの舞台装置、なにが詰まっているのか最後まで分からなかったカートの荷物、多国籍を説明しすぎて無国籍になった衣装は、まったくの失敗だとぼくは思う。
    物語の主題を抽出するときのホモキは、明快で思い切っているのだが、それを視覚で語るときの手法は説明過多であり、本質の抽出は見当たらなかった。舞台装置、小道具、衣装のなにかひとつのものが、移民の悲しみを語るものとして特権化してはじめて、舞台上に存在できるものなのに・・・字幕によって、ああ、あの場面は酒場だったのね、ああ、原本ではドアがあったのねとわかるようでは、興ざめしてしまう。

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    2007/05/21 01:27

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