ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!! 公演情報 東京にこにこちゃん「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    『ロミオとジュリエット』のその後を描いた喜劇。このセンスは令和最先端に気が違っている。超満員の観客は新しい笑いに飢えていた。前作、『どッきん☆どッきん☆メモリアルパレード』のラスト、踊り子ありさんと釜口恵太氏のキスシーンが焼き付いている身としては観ざるを得ない。
    場内は笑いが絶えず、役者一人ひとり登場するとわっと沸く。四柳智惟(ともただ)氏の作ったオープニング映像、NHK連続テレビ小説風「ジュリさん」が至極の出来。生き延びた二人が子供三人に恵まれて幸せな家庭を築いている。
    長女ミア役の加藤睦望さんがガチガチの訛りで一切喋っている内容が判らないのが凄い。九州っぽい方言?
    MVPは家政婦として住み着くチューシー役の高畑遊さん。元ハナタラシの大宮イチに似た風貌で、一貫して暴力的。この人の存在感は作品そのもの。

    ネタバレBOX

    西原理恵子の『パーマネント野ばら』を「た組。」が舞台化したものがこのテイストだった。原作を更に脚色してあっと驚くラストを作り出していた。

    1988年、布袋寅泰がBOØWYの解散後初のソロ・アルバムを作っていた。当時の妻、山下久美子は「布袋君、自分で自分のコピーを始めたら終わりよ。」と言ってBOØWYっぽい曲を全部没にした。(「これだけは残してくれ」と頼んで生き残ったのが『GLORIOUS DAYS』)。
    そんな逸話を思い出すかのように成功した前作をなぞってしまったような今作。観客は作家の資質そのものを支持している。もっと自分の才能を信じて新たな地平を開拓して欲しかった。(勿論それなりに普通に面白かったのだが)。『ハローワールド』と云うアニメ映画などと同じく、仮想現実モノの一篇。ネタよりも描き方に頭を捻るべき。ジュリエット視点だけでなく、ミア視点に客をのめり込ませられたら、違った味の作品になった。萩田頌豊与(つぐとよ)氏は随分と痩せていたように見えた。

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    2022/07/22 06:12

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