サイは投げられた 公演情報 劇団アンパサンド「サイは投げられた」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    女優五名様によるナンセンス不条理おちょくり世相風刺入り脈絡ありそでなさそな愛と希望ほのぼの死屍累々スポコン人情劇である。(分からん物を名付けると長くなる)
    五反田団系列、だろうか。新年工場見学会に似た乾いた笑いを誘うが、台詞の端々に現代風俗と皮肉がセンスがよく混じり、心地良い。だがストーリーは迷走気味。他の選択肢もあるがこちらを選んだか(作家は)、と思いながら観る。「こっちでなきゃならんかった」と思えるかどうか(戯曲の完成度のバロメータ)は疑問が残る。ナンセンスだから「何でもあり」ではあるのだが。。鄭亜美に電話で二度もアレやらせていた・・これは定番なのか。
    ほりぶんの要素があったな(体を張らせたい意気込みとか)。

    ネタバレBOX

    落語のオチのようにサイが登場して劇を終わらせたが、「投げる」を必然化する要素はもう一押し欲しかった(途中も)。
    人生損したと本人に言わせる驚異的な?(実はたいしたことない?)特技である「投げる」と、「枕投げ」に憧れながら踏み出せず「投げられない」のとは繋がらない。最初の場面に戻る、という事では枕投げに逡巡していた女の子が最後は投げる、の方がオーラス感が出る(オーソドックスだが)。それにはあの女の子が「出来る事」も挙げられてて、「それが出来ても投げられんのかい」と突っ込まれそうなやつで、それと「サイなら投げる」が繋がる、となれば理想。
    難点、というか少し引っ掛かる部分。千羽鶴折りの女性(この鶴折りのボケにもスルーでなく何等かの突っ込み、リアクションが欲しいがそれは置いて)が「自分は見てなかったから見たい」には、「皆見てたのに何で」と突っ込みがある事で、わざとやらせようとしている可能性を消せる。そこも良いとして、私が嫌だったのは・・自分だけが見られないのはおかしい、と権利を主張する形で困惑させる攻撃、これはそれまでの彼女のキャラに合わない事もさることながら、物を享受する権利は平等に与えられるべき、という論理は全てのクレーマーの根底に潜む論理でして・・そんな平等なんかねえよ!と蹴散らすのが正しい。批判の対象として敢えてうざく描く、もありだが、芝居で取り上げなくても辟易するくらい見せられてる。逆に「それが普通」な展開として書かれたなら、「それが普通」という感覚、何かが摩耗してやしないだろうか・・と苦言を禁じ得ない。
    とにかく台詞を書くセンスが優れ物であるので、期待。

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    2022/07/01 02:27

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