TorinGi(トリンギ)「捨てる。」 公演情報 feblaboプロデュース「TorinGi(トリンギ)「捨てる。」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    幾重にも重なって
    バーの雰囲気や
    お酒の存在に
    したたかに血縁の距離感を重ねて・・・・。

    血のつながりが触媒のようになって
    キャラクターが抱える思いが
    幾重にもほどけていくのが圧巻。

    またエピソードを包括する仕掛けのうまさにも
    瞠目しました。

    ネタバレBOX

    こじゃれたバーを訪れた
    3組の客の会話劇。

    血縁をもった者通しの会話ということで
    そこには他人とは異なった愛憎が含まれて・・・。

    しかもバーという場所柄、
    他の客もいて、でもお酒も入るということで
    キャラクター達の想いが遠回りに滲みだし、
    やがて常ならぬほどに溢れだすのが
    すごくナチュラルに感じられるのです。

    脚本がすごくよくて・・・。

    からくり仕掛けのように
    それぞれの想いが
    さらに相手の想いを引き出しながら
    積み重なっていきます。
    時にはバーという場所が作る箍が
    外れかけるほどに・・・。

    でも、どれほど互いの思いが交錯しても
    血が、何かをつなぎとめている。
    捨てきれない、あるいは
    切っても切りきれない糸の
    質感の表現がほんとうにしなやかで・・・。

    役者たちのお芝居にも
    がっつりと観客を血縁感覚の内側に引きずり込む力があって。
    一方で、冒頭から居つづけのバーテンや客が作りだす視線で
    観客にも物語を俯瞰させるような視野を持たせた演出も
    とても効果的でした。
    彼らの存在には血縁の内側の視点では観客に見えないものを
    すっと浮かび上がらせる力があって。
    しかも彼らの存在があるから
    舞台からやってくる想いの高まりが、
    観客を凌駕してしまうのではなく、
    バーの雰囲気に染められて
    観客に入り込んでいくのです。
    見る側にゆっくりとやってきてくれるからこそ
    理解できる感覚がまちがいなくあって。

    バーの雰囲気を断ち切ることなく
    エピソードを重ねていくそのやり方も
    実にしたたか・・・。

    ちょいと事情があってジンジャエールをたしなみながらの観劇でしたが
    心地よく、深く、ちょっとウェットな感覚でバーの雰囲気に浸りこんで、
    たっぷりと物語を味わうことができました。

    こういう作りこみの舞台、個人的には大好きです。







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    2009/09/22 12:05

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