満足度★★★
無理やり「アイーダ」
非常に微妙な作品である。
安蘭けいファンなら、満足なんだろうか・・・?
初めてフォーラムCの3階席E列に座りましたが、
ここは広い、本当に舞台までが遠い。
帝劇や宝塚劇場より梅田芸術劇場のり歌舞伎座より
キャパはグっと小さいはずなのに、いやぁ遠い。
小さな姿をオペラグラス越しにしか見えていないことを
前提の感想です。
また、特に安蘭けいに思い入れはなく、
オペラや四季版が好き、あのエジプトの世界が好きなので
見に行きました。
結構苦労しましたね、チケット入手。
フォーラムCの公演でチケットが取りづらいのは珍しい。
客席は、もとに宝塚劇場のような雰囲気の客層で、
あっちもこっちも「こんにちは」してました。
そもそもオリジナル作品は、ラダメス(湖月わたる)を主役に、
アムネリス(壇れい)との関係をメインに構成されている筈。
アイーダ(当時も安蘭けい)は、
あくまでもサブキャラでの扱い。
浅黒い上に、奴隷だから衣装も地味で、
いわゆる主役が演じる華麗さは表現できないから当然でしょう。
それを軸とした上演なので、
いくら歌が増えたとしても、出番が増えたとしても
安蘭けい、地味である。
なにより、彼女はアラフォー位だろうか。
一回り近く年下の伊礼彼方やANZAと恋愛劇を繰り広げるには
正直見苦しく、若い男に執着する
哀愁漂うキャリアウーマンのようである。
そう、ホスト風情なラダメスを追う、やり手女社長な感じ。
伊礼彼方は、宝塚ファンの女性陣を意識しての
配役であろう。
まさに少女漫画から飛び出したような美貌と、
必要以上に半裸姿で、美しい体をお披露目。
最近、女性目線のTV番組では、お約束のように
イケメンの腹筋を見せるというか上半身を脱がしているが、
まさに、その切り口です。
そして、その期待にこたえるような
エジプトの戦士というより、ギリシャ神話の登場人物のような
ロマンティックで甘いキャラクターです。
映画「トロイ」のブラピのような。
(遠い3階席から見た感想です)
あれなら、宝塚ファンも納得でしょう。
容姿がよければ、歌や演技なんて、二の次です。
その二の次を、バランスよくフォローしているのが
四季軍団と東宝軍団。
沢木順の暑苦しい芝居は、人間としての器の小ささを
実感させられるし、光枝氏は貫禄の王を嫌味なく演じる。
林アキラ先生の歌声は、くせがなく作品に厚みを持たせ、
宮川浩は、唯一アフリカ・ナイルの匂いを舞台にもたらす。
残念ながら、ANZAは貫禄不足、気品不足。
まぁ不足くらいでなければ、安蘭が目立たなくなって
しうから、あえて、この位に抑えていたのかもしれない。
オリジナルの壇れいをはじめ、
四季版のシルビアクラブがアムネリスで同じ舞台に立ったら、
アイーダ、吹っ飛んじゃうからなぁ。
ご祝儀兼ねての、大入り公演と思います。
安寿ミラと同じような道を歩むのが
安蘭にとって、良い選択なんだろうなって
思いました。