ハッピーエンドクラッシャー 公演情報 ゴジゲン「ハッピーエンドクラッシャー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    充実の観劇
    2回目のゴジゲンでした。
    前回は徹底したコメディで、ドタバタしつつも2時間全くダレるところなく楽しめたので今回も期待しての観劇。
    そして、期待以上の作品に出会えました。

    前作もただおかしいだけでなく、哀しみとか愚かさとかをしっかりと盛り込みつつ人間関係を丁寧に描いていたけど、今回は描かれる人間関係とそのもどかしさにドキドキしました。

    ネタバレBOX

    半年前まで高校生で、地元(博多)に残って浪人している連中と、東京から久々に帰郷する2名(+1名)。
    彼らが待ち合わせたのは、高校時代の親友で仲間内では一番勉強ができたが自殺してしまった友人アベの家。

    受験の時カンニングをもちかけて、それがアベだけバレて自殺してしまい、集まった仲間たちの心の中それぞれに影を落としつつ、それでも彼らは精一杯幸せであるように振舞ってみせる。

    最初は大学に受かり東京に行った連中がおおはしゃぎして、それを地元に残る連中が嫉妬するという構図なのだけど、最初から自殺した親友の存在があったためそのはしゃいでいる姿にも、地元連中の強気な姿にも哀しさがあって。
    そんな微妙な人間関係を演じる役者さんたちが余りに素晴らしいです。
    どの人も本当にその場に生きて生活しているかのように見えてくる。
    セットも地方の一軒家の裏庭を作りこんでいて、生活観があってとても素敵です。

    どうしようもなく惨めな状況で「セックスさせてくれ」と頼み込むけどやっぱりダメだったり、死んだアベの兄が彼らの事を責める事なく常に無機質な笑顔で丁寧に接したてたり、10分おきに携帯のタイマーをセットしておいて友人が多いようにみせかけようとしたり。
    出てくる人たちがどの人も愛らしいです。
    人間味に溢れていて、虚勢を張って生きている姿が時に滑稽に、時に情けなく描かれる。
    そんな作品にグイグイと引き込まれてしまいました。


    物語よりも人の心の機微を描く事を最優先させたこの作品、大好きです!
    作・演出の松居大悟さんは今回出演されていないけど、だからこそこれだけ丁寧で細やかな舞台ができあがったのではないかと思います。
    アフタートークの時に、「終演後に役者たちがノートと筆記用具を持って現れるようになった」と語っていたけど、役者もやっていると客観的にみれない部分はどうしても出てくるので、このようにストーリーではなくて心情を描いた作品では正しい判断だったと感じました。

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    2009/09/16 00:30

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