藪原検校(やぶはらけんぎょう) 公演情報 Bunkamura「藪原検校(やぶはらけんぎょう)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    なかなかでした!
    Bunkamuraシアターコクーンで、「薮原検校」観てきました!
    蜷川幸雄演出の作品、お初です。
    お芝居は、なんと3時間以上の長丁場。
    でも、時間を感じさせず、あっという間に1部の休憩!

    盲目の「杉の市」を演じた古田新太さん、
    存在感がありましたね。
    師匠の女房「お市」を演じた田中裕子さんは、
    優雅でとっても色気がありました。

    語り手の盲太夫、壌晴彦さんも素晴らしかったです。
    宇崎竜童さんの音楽も最高!
    なんだか耳についてます。

    検校の杖の耳かきを売っていて、面白いなと思ったので
    買っちゃいました。

    ネタバレBOX

    さて、この「薮原検校」
    いきなり、真っ暗闇の中を三味線のようなリズムの演奏が響いてきます。
    すごい、迫力!
    でも、これギターなんですね。
    お芝居のバックに、ずっと流れていました。
    何本かのギターを使い分け、なかなか感じよかったです。

    舞台には、ずっと綱が四方八方にはってあり、
    それらを上手に使って道や川、家など枠を表現していました。
    これが蜷川演出?と思ったら、プログラムに井上ひさしの本のト書に
    「舞台は綱で縦横に仕切られている」と書いてあるそうな!
    井上ひさしって、やっぱりスゴイ人だ♪
    黒衣をはじめ、随所に歌舞伎の方法も取り入れられていましたね。

    最後の薮原検校の処刑のシーンは圧巻でした。
    胴を縛り上げ処刑台に吊るし、第一刀で下半身を切り落とす。
    頭の重さで体がくるりと反転したところを、すかさず首を目掛け第二刀。
    血染めの蕎麦が、だらりと首から流れ出します。

    この処刑を提案した保己一。
    「いえ、ある意味では同志です」と語るのですが。。。。。
    「同士」という言葉を、深~く考えさせられてしまいました。
    「わたしはあの男に花道を作ってやったのだと思っております」
    死をもって、薮原検校を祭り上げることで、目明きが作った道徳や常識、
    体制といったあらゆるものから、超えさせようとしたのですよね。
    「彼はおそらくそのために生まれ、これまで生きてきたのです」

    段田安則さん、いい役でしたね。
    私、この方大好きです。

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    2007/05/13 04:52

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