期待度♪♪♪♪♪
燐光群が過去作品をやるのは稀少で、震災後にやった「カムアウト」以来(もう一つ過去作をやったが確かリニューアル版だった)。
本作は戯曲を読んだのみでついに目にしなかったが、確かに他劇団がカバーするには中々難物で、坂手氏の脳内にあるイメージをこちらは想像するしか無く、「実際の舞台を見なきゃちょっと判らん」箇所もあり、その事は坂手氏の「現在」に対峙し続ける演劇人との印象と軌を一にして、上演を前提とした戯曲である感触であった。
今これを上演する本当の理由は判らないが(まだまだ涸渇が訪れる齢ではないと思うが)、あの濃ゆい戯曲が舞台にどう立ち上がるか、一見の価値ありそうで。
しばしば思う事だが、非劇団員を起用して(敢えて引っ込めなくても良かった)劇団員を退かせる理由は何だろう。全ては坂手氏の一存、役イメージに合う役者を探した結果という事なのだろうが(報酬面とか大丈夫なら良いのだが)。レギュラーと言える樋尾麻衣子、中山マリ、杉山英之らまでが退いているのは、幾度も訪れていると見受ける燐光群内部でのキャスト陣容転換の時期か、等と思ったり。演目よりそっちの方が気になるようになってしまった。以前は戯曲や演出にしか目が向かなかったが、今は俳優という仕事の貴さを強く思う。ごたごた書き過ぎた。