実演鑑賞
満足度★★★★
主人公が大学教授になったお祝いのホームパーティーの終わった後、見知らぬ若い女性が残っていた。その女性と恋に落ち、結婚したことで、人生を狂わされた男は、彼女のいない人生をやり直すことを望む。そうして演出家の突っ込み(一種の解説にもなる)をうけながら、一度は過去に戻る。しかし、やはり彼女とともに生きる方を選んでしまう。
女を愛するがゆえに女に縛られ、悲劇に陥るのは「范の犯罪」を思い起こさせられた。2時間、結構トリッキーな芝居だが、飽きずに見られた。脇役の女優の女中訳、イタリア女役などに変わる、コミカルな振る舞いがいいアクセントになった。後半は妻の浮気を巡る夫婦の心理劇。それが結構面白かった。浮気する妻が堂々として、なじる夫がおどおどしている。浮気男と対決するが、間男の方が偉そうで、夫が防戦。この普通とは逆転した夫のふるまい、心理が、ごく自然でよくわかった。