ハッピーエンドクラッシャー 公演情報 ゴジゲン「ハッピーエンドクラッシャー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    残された者たち
    いつものコメディとはちょっと違った内容。
    傷ついた友情の物語。
    今回のセットがいいなぁ。縁側の先にある物干し台と庭が懐かしい風景。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX


    学生の頃、いつもつるんで遊んでいた友達の一人、安部正が自殺した。
    彼はセンター試験でカンニングさせてくれと言われ、見せたのがバレて、自殺してしまったのだった。
    残った5人は正が自殺してしまった原因は自分にあると自分を責め、そしてお互いを傷つけまいと、会話に気を遣い言葉を選びながらも腹を割って話すことが出来ない。
    正の兄・テルも同様、身内を失った心の闇を抱えながら、正を自殺に追いやった5人の友人たちを許すことが出来ないが、表面的にはニコニコしながらも、テルは彼ら5人になかば強要するように年に一回は集まるように命じる。
    年に一回の集まりの日に、元気だった頃の正と彼らが楽しんでいた西瓜割りや漫才の練習までも持ち出し、5人を苦しめる。
    テル自身も正が死んだ事実を受け入れられず、もがき苦しんでいたのだった。
    彼らは一連のテルの行動に「テルさん、許してくれませんか?」と訴え、テルは彼らに「また、来年も来てね。再来年もその次もずっと・・・、待ってるけん・・。」といい放つ。
    それまでしんどい思いをしていた彼らは「テルさん、西瓜割をしましょう。西瓜を無事に割れたら腹を割って話しませんか?」と訴える。

    そうして彼らは西瓜の代わりに自分の頭を差し出してテルに殴られる。次々と・・。

    この芝居はエチュードを取り入れたようだが、友達を思いやる心や傷ついてる人に対する言葉の選び方が絶妙で、哀しくて切なくて温かかった。
    誰かを殺したり自殺に追い込んだりしたら、その傍に居る別の誰かのことも、必ず殺すことになり、その負い目を持った彼らはテルに謝罪するが、実はテル自身も彼らと同様に正から逃げていたのだ。
    大切な人を失った人たちの物語だったが、それなりに笑いもあり素敵な物語だと思う。

    アフタートークでは、松居が「芝居を辞めたい。」なんて愚痴った暴露があり、笑う。松居イワク、「芝居は辛い事が多いし満たされないし、楽しくない。ゴールがないし、芝居が終わったかと思ったら、また、次がある。」

    いあいあ、松居くん、仕事だって同じですぞ!っと(苦笑!)





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    2009/09/10 19:08

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