S高原から 公演情報 南河内万歳一座「S高原から」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    関西の劇団だけあって
    開演前の諸注意のノーガキがハンパじゃあないっす!(^0^)
    S高原・・高原の一角にあるサナトリウムっぽい、療養所が舞台。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    入院患者はホームレスのみ。そんなだから舞台セットもホームレス独特の小屋や古びて壊れかけた椅子や雑多なもの。
    すんごいです!客席より舞台の方が広そう!(苦笑!)」

    何故ホームレスになったのかはこの場合、説明は無く、ただ彼らは病気らしい。その症状も人によって様々で死にそうなくらい衰弱しているホームレスもいれば、病気などと思えないホームレスも居る訳で、そこも雑多なのだった。入院は強制的なものでなく、彼らはいつだって自由に退院できる。
    S高原から降りたくなったら降りればいいし、降りなくてもいい。
    下(町)に自由に行く事だって出来るし、下に行きたくなかったら行かなくてもいい。
    こんな風に聞くと天国じゃね?なんつって感じちゃうけれど、実際、いいなぁー・・、なんて思って観てたんだよね。

    それでも難点は標高が高いからすぐに患者は息が切れる。笑
    だから、激しい運動は出来ない。もっとも病気でここに居るのだから元々、激しい運動は出来ないはずなんだけれど・・。

    ホームレスらにもここに入る前には恋人や婚約者や家族や友人が居て、彼らは見舞いと称してバカンス感覚でやってくる輩もいれば、心の真意を探りに訪ねてくる彼女もいる。中々退院しない本人を目の前にして、かつての恋人や婚約者の内面が少しずつ変化していく。

    病気が進行してるのか、いつ退院できるのか、良くなってるのか、まったく解らない状況に、いらいらし、結論を急ごうとしてしまう。結果が見えないものにはニンゲンは常に不安を感じるものだし、目に見えないものが実は本当は価値があるのだと悟るまでには時間がかかる。そんなニンゲンの弱さや傲慢さや不安や限りのある命について、サラッと、本当にサラッと、表現した舞台だったと思う。
    そんなサラッと感が観終わった後に、「あれ?これって特別でない日常のどこにでも転がってる風景なんじゃないの?」なんて思えて、リアルなんだか嘘話なんだかよく解らなくて・・・騙された。って感じた。

    この療養所では患者自身が自由に客をもてなし、チン!とベルを鳴らすと執事ならぬ看護婦がジュースやらコーヒーやらをご主人様(患者)の要求どおりに持参してくれる。医者の威厳はあまりなくただただ患者を見守るだけ。
    そんなだから、ここでの時間の流れはゆっくりで、この環境に満足しちゃってる患者は退院しようとしない。
    好きなときに起きて、好きなときに寝て、好きなときに食べる。好きなときに散歩に行って好きなときに皆とおしゃべりをする。
    退院する意思がないのだ。

    だって天国に近い療養所だから。笑

    ドクター役の荒谷が魅せる!流石、関西芸人!(失笑!)




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    2009/09/03 16:52

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