おしり筋肉痛 リノベーテッド 公演情報 大人の麦茶「おしり筋肉痛 リノベーテッド」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    4月17日午後、東京・下北沢のザ・スズナリで上演された大人の麦茶第29杯目公演『おしり筋肉痛リノベーテッド』を観てきた。これは知人のマルチ・パーフォーマーである若林美保が出演していた関係からである。加えて、大人の麦茶という劇団は、自分のお気に入りの劇団の一つだったから。
    大人の麦茶では過去も『おしり筋肉痛』と言う作品を何回か上演していたが、その際は副題として「めっちゃまわるよ運動した後だし」とあり、今回は「リノベーテッド」なので、過去と同じ作品の改訂上演か全くの新作かということが気になっていた。前説に登場した主人公役の宮原奨伍が「新作」と断言したのでそうなのかと思い観ていたら、細かい設定には違いがあったものの要となる重要な台詞などは過去の作品と同じなので、実質改訂上演と観た方が良いだろう。ちなみに、上演時間は約2時間10分。過去の作品に関しては、小劇場演劇動画サイトの観劇三昧で観ることができる。

    物語に関しては、HPやフライヤーに的確な粗筋が載っているのでそれを引用させていただく。

    その男、趣味は酒。「酔っぱらった時に決めたことを本当の人生と思って」生きて来たが、飲酒厳禁の身となり、宿泊施設へとリノベーションされた母校の小学校を訪れた。潮風の吹く地元の町には「インチキ科学者」と罵倒され世間から抹殺された初恋の女、忘れられない初体験の女、人工知能AIのフリをする女子高生が現れて……時の物置に眠っていた秘密の蓋が開く。もしかして、あの子は、俺の娘なのではないか……失われゆくものと明日へ続く坂道。男の止まっていた時計が動き始める。
    リノベーションとは、既存の住まいを新築の状態よりも良くするための大工事のこと。劇団『大人の麦茶』も築年数が経ち、酒の空き瓶や壁の画鋲の跡も増えました。でも新築物件には移りません。不都合は不満はなるべく少なく。そんな2020年代の私たちの未来、いっしょに探してくださいませんか?


    と言う訳で、個性豊かな登場人物の中で重要なのは、やはり主人公・猿橋敏也を演じた劇団の看板役者である宮原奨伍。以前は現在休団中の池田稔が演じていた役どころをエネルギッシュに演じていたのが良かった。まぁ、ときおりエネルギッシュ過ぎる部分があって、心情の明暗の付け方にもう一歩進化が欲しい部分もあるに亜あったけれど。
    それと、このリノベーションして宿泊施設になってからは「ファミリオーネかつやま」と言う名称になっている元小学校の支配人・稲葉温子を演じた浅田光の演技も素晴らしかった。
    我が若林美保は宿泊施設の厨房担当ながら、得意のポールダンスの片鱗も魅せてくれて舞台に明るさを提供していたのが良かった。
    それと、インチキ科学者・宿泊施設の保健室担当・傍嶋佳音を演じた鈴木ゆかもなかなかの演技。
    演技はともかく、外見から印象深かったのが通販会社代表の木田の付き人・半藤知剛を演じた奥山ばらば。

    今後も更なる進化を期待したい舞台であった。

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    2022/05/04 16:13

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