ボラボラ 公演情報 劇団アルターエゴ「ボラボラ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    温もりが伝わる
    二人の兄弟が母に抱きしめられるとその体温が確実に伝わってくるような温かい物語でした。人はこうやってエネルギーを充電されなければ、動くことも出来ないのかもしれないね。

    以下はねたばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    工事現場から、十勝の野球場から、あるいは六本木のビルから、それぞれの人たちは別々の場所から、気が付いたらここにワープしていた。
    彼らはここから出る事も出来ないまま、それぞれの生きてきた体験を話し始める。
    ここでは掃除婦のハナコの家族の情景を映す。
    夫・ハルヒコの不倫相手の、タヒチからやってきたチキが妊娠した、といってハルヒコの自宅を訪れたことから、騒動は巻き起こる。
    父・母・息子・父の弟・父の愛人・下宿人らは、チキのどこまでも天真爛漫で素直な性格にいつしか憎悪は消え去り、純粋なチキが育った故郷の話を聞きながらチキの存在を容認していく。
    死んだはずのばあちゃんを純粋なチキや息子は最初から見えていたが、そのうち他の家族にも見えるようになっていく。要するに純粋な心の持ち主にしか幽霊は見えない、という設定。

    家族とは何も血のつながりだけではないのだよ。と芝居の中でさらりと私たちに投げかけ、チキが子供をハルヒコの家族に預けてタヒチに帰ることになってしまうが、ハルヒコの家族は子供を引き取り育てるという。
    息子はチキに「弟を生んでくれて有難う。うんとうんと大切にします。」と伝える。

    彼らはチキに出会ったことで今までの自分とは少し変わって相手の身を思いやれるようになっていく。チキの語る癒しのセリフがいい。心が洗われる。
    チキの後ろの映像では空は怖いくらいに青く澄み渡っている。深く純粋な青。トロピカルな音楽と共に家族の情景は死んだはずの母親に叱られて甘える兄弟のシーンに移る。この情景がいい。

    男子ってやっぱりマザコンだよね!(^0^)

    こうやって家族の一人一人が人生に迷ってワープしていたが彼らをチキが元に戻してあげる。という優しい物語。


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    2009/08/01 17:21

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