満足度★★★★
広田の旅がはてしない。
初演『旅がはてしない』から、明らかにひょっとこ乱舞が変わった。
その変化はあまり好ましく感じられなかったから、一時的なものだと思った。
が、いつの間にかそれが当たり前になり、5年くらい経ってしまった。
その違和の始まりをまた見られるという。
150分見させるだけの物語の強度は確かにある。
物語には新キャラクタというアクセントはあったが、ベースは変わらない。
懐かしいミネストローネがそこにあったという感覚を強く持つ。
しかし、回収されるはずの違和は、別の違和を残して去っていった。
広田淳一は本当にどこに行こうとしているのだろうか。
物語の中のダンスの迫力は何物にも変えがたい静かな昂奮がある。
役者のフィジカルの疲れを差し引いても、見応え十分だった。
(ただ、トラムや吉祥寺のような傾斜のある客席から見たかったように思う)