溺れる家族 公演情報 アロッタファジャイナ「溺れる家族」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    松枝氏のセンスの良さが光っていた!
    舞台を挟むようにして、入って左右に客席がある。私は前の会社の社長が左側にいたから左側に行った。多分どちらから観ても楽しめるように演出されているけれど、クライマックスだけは、主人公の役者の表情が右側の人にしか見えない様だったから、右側に座った方がいいかも?!


    お芝居自体は、結構満足した。脚本の”巻き戻し”的部分とか演出とか、作・演出の松枝さんのセンスの良さが今までで一番表現されている公演ではないかと思うので、お時間がある方はぜひ!!

    ネタバレBOX

    母子家庭で育ち、自分たちを捨てたとされる父親を見つけた望月美和を中心に、波島家(夫婦+兄妹)、長澤兄妹、田所姉弟など合計13人がいくつかのプロットでつながっているけれど、衣装の色などが工夫されていることでわかりやすかった。

    各プロットが同時進行ではないし、間に他のプロットが入ってから一度終わったシーンの続きが始まったりするんだけれど、全然こんがらがらなかったし、すぐ続きからやるのではなく、ちょっと巻き戻って一度聞いたやりとりから始まるという構成がかっこよかった。

    特に波島家の妻・早苗と、長男・和則の心情がリアルだと思った。
    演技の迫力を一番感じたのは長澤志保役の井川千尋さん。
    霧島役のイケメンの和知龍範さんは、アイドル系かと思って調べたら、劇団を主宰されている方なんだね!彼が演じた霧島の後半の心情がよくわからなかったな。。。

    衣装は、それぞれの関係性がわかりやすいような色分けがされているのに、トーンが合わせてあるからか統一感があった。全部、舞台上の机同様白いペンキがかけてあってかっこよかった。照明も長澤家に和美と村山佐織がやってくるシーンとかすごく好きだった。

    演出は、今まで観たアロッタの公演の中で一番好きだった!!
    前半はどんどんシーンが変わるから気にせずぐいぐい引っ張られたけれど、観終わると、美和のメインプロットが少々弱かったかなと思った。起承転結が時系列できちんと描かれていて、プロットの主人公のゴールや動機がきちんと描かれているのは美和のメインプロットだけだったから、もう少し他のプロットより目立ってもよかったかも。
    長澤兄妹+波島家の長女・和美+その先輩・村山のプロットだとかは、メインプロットには直接影響しないから、設定はおもしろかったけれど、ちょっと尻切れトンボ感があったかも。波島家の長男・和則+田所利香+菊見のプロットも、前述のサブプロットよりはメインプロットに関係があるけれど、結末がメインプロットに何らかの影響を及ぼしてほしかったなと思う。

    と、ストーリーは改善点があるように思うけど、”巻き戻し”的部分とか演出とか、作・演出の松枝さんのセンスの良さが今までで一番表現されている公演ではないかと思うので、お時間がある方はぜひ!!

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    2009/07/24 14:21

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