実演鑑賞
満足度★★★★
日中のスター李香蘭(木下春香)、男装の麗人・川島芳子(壮一帆)、稀代のヒットメーカー服部良一(松下洸平)…。戦時下の中国・上海で歴史的人物たちを出合わせ、名曲をたっぷりきかせるエンターテインメント。「蘇州夜曲」「別れのブルース」「一杯のコーヒーから」。さらに「チャイナタンゴ」も服部良一とは知らなかった。この曲は井上ひさし芝居でおなじみ。自作の芝居で3回も使っている。
物陰にひそむ謎の女(仙名彩世)が共産党の幹部工作員で、実は李香蘭と幼馴染のロシア女性というのが、ひねりがきいている。彼女の狙う音楽会破壊工作が、はたしてどうなるかという興味でストーリーを引っ張る。
音楽会場面と、その企画を練る上海の租界の華やかなダンスホール・ラ・クンパルシータのべ面の比重が大きい。その合間に屋台での交歓や、陸軍本部での軍の方針決定の場など。