ドラマ進化論 (ベータ版) 公演情報 北京蝶々「ドラマ進化論 (ベータ版)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    追い込まれ感を感じさせる力
    短い上演時間ですが、急ぐ部分もなく、一方で十分な厚みのあるお芝居でした

    表面的にはあやうい印象を与えるテーマですがその分観客をあきさせないし、内側の作劇が非常にしっかりしていて観客を引き込むというより観客をなにげに追い詰めていくような部分さえあります。

    役者達の演技にもうまさを超えたしなやかさがあり、この劇団の力量を感じました。
    音の使い方もうまかったですね・・・。テーマを崩さないウィットあふれる台詞(笑い)も心地よかったです。

    これでβ版だそうですから、5月下旬の本公演(?)はまさにおすすめになりそうです。

    ネタバレBOX

    ひとつだけ惜しいと思ったのは最後の暗転の部分、メタ重層構造の外側を見せるという風にも理解できるし場面転換の都合もあるとは思うのですが、闇の時間が長すぎる気がします。
    そこまでしたたかに作り上げてきた舞台の緊張感が、闇にすいこまれるように消えてしまって・・・。
    場面転換の後の舞台装置は悪くないのですが、これだけ切れのよい芝居をしてきて、最後に見せるタイミングが悪いと、最後のシーンが付け足しのようになってしまいます。
    昔離風霊船が「赤い鳥逃げた」でやったような屋台崩しで一気に見せてくださると歴史的な舞台にもなりえる作品かとは思うのですが、そこまでいかなくても、もうワンタイミング早いとぐっと来たと思うのですが。
    そこがちょっと惜しい・・・。

    役者たちは力技で一気に観客を封じ込めるだけの力をもちながら、ゆったりと真綿で締めるように観客達を追い込んでいく演技・・・
    女優陣のなかでは帯金ゆかりさんの持つ華のようなものに目を奪われましたが、一方である種の狂気と現実を繋ぎとめるアンカー(碇)のような役割をしっかりと演じきった鈴木麻美さんに役者としての底力を感じました。

    0

    2007/04/30 08:01

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大