セクシードライバー 公演情報 財団、江本純子「セクシードライバー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    お互いを触媒として
    キャラクター設定がすごく緻密でふくらみを持っているのだと思います。

    それぞれのキャラクターがふれあいぶつかり合う中で
    浮かんでくるいろいろなものが
    常ならぬ力で観客をとりこんでいく・・。

    時間を忘れて取り込まれ
    終演時には大満足でございました。

    ネタバレBOX

    安藤玉恵の演じる女性から漂ってくる
    ひとりよがりさと芯の思いの強さ。

    前田司郎の演じるタクシードライバーの
    奇妙な気の弱さとなれなれしさ・・・。

    二人のキャラクターが
    台詞によって定められていくのではなく、
    予め細かく作り上げられたキャラクターが演じられるなかで
    台詞が次々と溢れていくような感じ・・・

    しかも溢れた台詞が、今度はそれぞれのキャラクターをさらに深く晒していく。
    それぞれから滲み出てくる人間臭さがすごく良い・・・。

    観ていて、ゆっくりと深夜の時間の流れの渦巻きに
    巻き込まれていくような感覚がありました。

    また、江本純子の短い登場が効くのですよ・・・。なにげに、調子よく演じているようで、タクシーの客と運転手というふたりの客のうまいつなぎ役を見事に果たしていく。川口というキャラクターに江本の脚本と演技両方でのしたたかさを感じて・・・。

    3人の役者が三様の演技で、それぞれにヴィヴィッド。

    安藤さん、ポツドールのころから底力のある役者だとは思っていましたが、今回のお芝居では深い円熟すら感じました。携帯電話を見られたことがわかったときのその表情の秀逸さ・・・。凄く近かったこともあって、彼女からやってくる言葉にならない感情に、釘付けになりました。

    前田司郎の演じるキャラクターの軽さも、ほんと常ならぬ色があって、
    ちょっと駄々をこねるような部分に不思議な実存感を感じたり・・・。

    その二人と江本のキャラクターがびっくりするほどかみ合う。彼女のお芝居のユーティリティの広さに舌を巻いたり。

    終わってみれば心地よいボリューム感がしっかりとあるし、なにか一流の肌触りがあって。

    こういうお芝居大好きです。


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    2009/06/30 19:04

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