実演鑑賞
満足度★★★
主演のパチンコ屋店員益田四郎(天草四郎)役は初鹿野海雄(はじかのかお)氏、濱田岳似。
パチンコ玉を溶かした軟鉄で仏像を彫る彫刻師、ナマリ役は山﨑沙羅さん、歯列矯正中で眼が松田龍平にそっくり。
柳町明里(やなぎまちあかり)さんは島原の乱の副将山田右衛門作(えもさく)役、若い頃の指原莉乃に似ているような。マニキュアが綺麗。
天草四郎の銅像をつくっているナマリ。何度もこねては潰し、どうしても納得出来るものが創れない。このシーンが秀逸で泥の中から産まれた四郎が身体を与えられては潰されるマイムが繰り返される。四郎の肉声を求めるナマリ。江戸時代のパチンコ屋で拡声器を片手に客を煽る四郎の光景が浮かび上がる。展開される百姓残酷物語、無慈悲な圧政と奴隷のような暮らし。そこには落ちたパチンコ玉を拾い集め続ける乞食のようなナマリの姿もあった。
野田秀樹っぽい語り口でかなり好きなんだろうなあ。天草四郎の物語と云うよりも『プロパガンダ〈政治的宣伝〉と戦争』がテーマっぽい。箱馬や平台を効果的に組み合わせて群舞的に使う演出がリズミカルで冴えている。