実演鑑賞
満足度★★★
2月27日午後、下北沢にあるステージカフェ下北沢で上演されたONE AND ONLY朗読ライブVo.23を観てきた。これは、上演されたのが交流のある脚本家・加藤英雄の作品『七日目の朝』と言う関係からである。この団体の公演では、朗読の途中や合間に楽器の生演奏が加わるが、今回はギターとフルート。出演者9人にミュージシャン2人に対して、コロナ渦の影響からか観客は自分を入れて6人という大変贅沢な環境で鑑賞することとなった。
舞台は、長い遺恨を持つ川を挟んだ二つの町「東町」と「あざやか町」の商店街。川の埋め立てを機に商店街を合併しようという区の構想に乗り気な「東町」とそれに反対の「あざやか町」。その話し合いが行われている会場に、両商店街を股にかけた、まるで「ロミオとジュリエット」のような恋愛騒動が持ち込まれたり、埋め立てられる川の精や住んでいる魚達が人間の姿になって乗り込んできて合併ではなくもう一つ新しい商店街を作ったら良いのではと言う提案を投げかけたりとドタバタの大騒動に発展。その結果は・・・
という話で、事前情報では80分の上映時間であったはずが前説では90分、実際には100分という長さの作品となっていた。100分というと朗読ライブのスタイルだと長く感じられるのだが、今回は中盤からの進行がスピーディーだったり、オリジナルの歌とダンスがあったりと長さを苦痛に感じさせない面白さがあった。話の中心である二つの商店街の会長役を務めた中野聡と神成健太郎、そして区の職員約の山崎はん菜の熱演が成功の鍵と言えるだろう。
ただ、一つ気になったのがフルートの音量。実はこの楽器、思っているより音量が大きいので1人台詞の時に音が重なると台詞がやや聞き取りにくくなったのが残念。
それと、個人的に気になっている役者、松木里江と内海里依の演技もなかなかの出来映えであった。
加藤英雄ワールドの楽しく不思議な世界を堪能させてもらった。次回も楽しみだ。