満足度★★★
ささやかな幸せを愛でる繊細さ
せちがらい現代日本で最低限の生活を獲得するために、川辺で人知れず戦っているホームレスの人々を、とことん優しい視線で描いていたように思います。小さき者を慈しみ、ささやかな幸せを愛でる繊細さが伝わってきました。
ただ、なにげない日常が淡々と続くお芝居は、大事件でなくとも何らかの出来事が起きた時に、空気がぐっと変化するような、劇的な仕掛けが必要だと思います。照明・音響・衣裳・舞台転換などの目に見える(耳に聞こえる)演出でもいいですし、役者さんの演技の密度でもいいのですが。そういったところに物足りなさを感じました。また、具象と抽象のバランスがあまり良くなかったように思います。
終演後は一般客も参加OKの2日目カンパイ(劇場内で開催)に参加させていただきました。自己申告のカンパ制で、炊き出しの料理食べ放題・缶ビールなど飲み放題という大盤振る舞い!赤字が出るんじゃないかと勝手に心配になりましたが、お客様は皆さんとても楽しそうでした。私は缶チューハイをいただいたので150円カンパしました。