冒険者たち~JOURNEY TO THE WEST~【大和公演、厚木公演中止】 公演情報 KAAT神奈川芸術劇場「冒険者たち~JOURNEY TO THE WEST~【大和公演、厚木公演中止】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    ちょうど一と月前に観る予定の芝居(ロッキーホラーショー)がコロナ陽性者のため中止に。。同じKAATでやる「冒険者たち」のチケットをふと見て「まさか痛恨のダブり?」と焦り、あ、一方が中止でラッキー、と安堵したが、こっちは一か月後の上演であった(1/15×→2/15)。
    そんな事で待ち焦がれた公演であったが、感想は微妙。神奈川県下の公共劇場を巡演するという恐らく一度もやっていないKAAT新芸術監督長塚氏ならではの企画で、お話はガンバの、でなく「西遊記」のそれ。ポイントは神奈川との縁が作らせた舞台である点で、達者な役者の八面六臂で愉快な芝居ではあったが・・。

    ネタバレBOX

    西遊記の一行が何故か「現代の神奈川」に流れ着いた設定で綴られる県下の各所を巡るロードムービーならぬ旅芝居で、奇想天外この上なしであるが・・本音の感想は巡演が終ってからゆっくり書いてみよう。

    ・・・と公演終了を待ったがだいぶ忘れてしまった。神奈川県の殆ど任意に選んだ「名所」「名物」にスポットを当て、エピソードを語る「旅」の芝居で、要は「神奈川」に寄り添った中身であり公演であるのだが、なぜ神奈川か、なぜ県単位か、引いてはなぜ「そこ」なのかの説明はない。「こんなのに説明なんて要るか?」と言われればそれまでだが・・。地域には歴史の影が生活に何等かの影響を与え、特有の「問題」を抱えるもので、地域を描くとは本来そういったものだが、その奥行がないとどうなるか。「現在」という一瞬を切り取った断面の、その中のたまたま選ばれたポイントを、写メで撮っただけの描写になる。旅客の「人生」に深く影響を及ぼす要素として「地域」が機能する訳でもなく、ただこんにちは、さようなら、後に何も残らない浮薄な観光旅行をなぞっただけの話。実も蓋も無い言い方だが、要はそういうものである。これはちょうど、日本で五輪が開催になる、やった!というのと同じで、西遊記の一行が神奈川に立ち寄ったってよ。やったぁ。そんな感じ。
    子どもはこれ、喜ぶのかな~、大人が自分の中に見出す「子ども性」ではあるかも知れない。が、私にはこれ、「幼稚」にしか見えない。子どもってのは、幼稚性から脱却しようとしてる存在なんじゃないの?
    まあそんなむず痒い感覚にしばしば見舞われる舞台であった。外から目線で神奈川県民を「慰撫」してる感じも覚えた。ただ、ピンポイントなスポットに少なからぬ所縁を持つ人にとっては嬉しいものなのかも。

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    2022/02/20 03:25

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