マーキュリー・ファー Mercury Fur 公演情報 世田谷パブリックシアター「マーキュリー・ファー Mercury Fur」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    暴力と絶望とクスリが蔓延する近未来?のロンドンのサバイバーたちの物語。それぞれが妹、母を目の前で殺され、子供を殺され、自分だけが生き延びた負い目を負っている。シェークスピアよろしく、悲惨な過去を再現する語りの力が圧巻だった。
    吉沢亮の出ずっぱりの苛立ちとテンションの持続、この世ならぬ半狂乱を演じる大空ゆうひ、ゲームを仕切る加治将樹の迫力、俳優たちの熱演がすごい。しかもかなり精神的にきつい物語。映画ならわかるが、舞台でこれを毎日(時に1日二回)繰り返すとは。俳優の仕事の厳しさを考えさせられた。

    作者はイラク戦争に参戦した母国イギリスへの批判として、イギリスが理不尽な戦争の戦場になった情景を描いたという。

    ネタバレBOX

    この舞台は、ある日の午後から夕方の2時間を切り取ったもの。途中時間の飛躍も、暗転もない。時々の出来事への反応として人物たちはひっしに選択する。その場としては理解できる。しかし、舞台外も含む少し長いスパンで見ると、一貫性に欠ける。殺人ゲームに何度も加担してきた人物が、急に生贄を助けたり、生き抜くためにリードしてきた人物が急に絶望して自殺しようとしたり。

    ロンドンではリアルでも、東京ではSFに近い話の気がした。

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    2022/02/06 20:21

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