天日坊【2月25日-26日公演中止】 公演情報 松竹/Bunkamura「天日坊【2月25日-26日公演中止】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    荒唐無稽で理屈一切なし。奇想天外なストーリー、殺し、盗み、欲望、絶対絶命と危機一髪、大悪党と小悪党、笑いにコントに、伝統の拍子木の音に、ジャズとロックの音楽をまぶして、豪華で多彩な衣装に、最後は大立ち回りと主人公たちの死にざまで盛り上げる。見世物歌舞伎の真骨頂であった。

    天涯孤独の貧乏な男・法策が、頼朝のご落胤になりすまろうとしたが、実は自分自身、木曽義仲の忘れ形見だった!!と、意外な(ご都合主義全開の)展開で次々喜ばせる。河竹黙阿弥の奇抜な物語の骨格を、宮藤官九郎が現代人好みの台本にし、串田和美のけれんみたっぷりの舞台づくりに、当代随一の人気歌舞伎役者が格好良く決める。これぞ「芝居見物」というべき見事な舞台であった。勘九郎は体はやわらかくて、体操選手のような動きから、超スピーディーな殺陣さばきまで、セリフも聞かせるし、見栄も見せる。最初のさえない田舎坊主から、最後の悲劇の若武者まで、平然と人を殺す残虐さから、嘘を通しきれない苦衷まで、見事なふり幅の演技だった。

    現代化した歌舞伎セリフだが、わかりやすさと、俳優たちのいい滑舌とめりはりある抑揚と相まって、耳に心地よい。歌舞伎の「歌」は別に、音楽でなくても、このセリフの音の心地よさも歌舞伎なのだなあと納得。

    ネタバレBOX

    「うだつのあがらない〇〇、実は泣く子も黙る××だった!」という隠れた素性が明らかになるパターンが、続く、続く。最後の、鎌倉幕府のお偉方大江様は、実は法策のもとに隠密捜査で潜入していた下男の久作だった!!は、そう来るかというほど、作者はやりたい放題。

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    2022/02/06 00:11

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