奇譚録。バーベキューダンス 公演情報 劇団「楽」「奇譚録。バーベキューダンス」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    確かに表層的には「奇譚録」といった雰囲気であるが、物語にそれほど”圧”を感じることはなかった。伝説の竜殺しと愛しき仲間たち~という内容であるが、竜殺しの意味するところが分かり難い。

    妖しげな幻想世界を漂わせているが、時々 物語の間隙をねらって説明を入れるため雰囲気が定まらない。主宰の倉田楽 氏が、赤(い)竜役で登場し、物語の構成を説明する。本でいう章立のようで、物語の場面紹介をしている。全体的にダークさが漂うため、合間に箸休め的というか緩衝場面を挿入したのか?どちらにしてもあまり意味がなかったと思う。

    公演の魅力は、奇異なメイク貌、独特な衣装といった外見、その姿でアクションを行い観(魅)せるところ。またキャストは演じていない、つまり登場シーンでない時は、上手か下手側の壁際で立ったり座ったりしながら、その場に居る。同一空間(舞台上)にいることによって、劇中での場所が違っても同じ時間が流れていることを意識させる。

    物語は、人間と獣や竜との戦い…生存をかけた戦いを描いているが、舞台上で繰り広げられている事が料理であり、周りで観ているキャストは舞台(料理)を囃し立てるダンサーといったところか。物語の展開はそれほど複雑ではないことから、ほかの色々なことを想像してしまう。
    (上演時間2時間 途中休憩なし) 

    ネタバレBOX

    舞台美術は、中央に可動する大きな階段があり、所々苔生し雑草や蔦が生えている。そして上手側に武器置き場があるだけのシンプルなもの。大きくスペースを確保しているのは、アクションをダイナミックに見せるため。貌や衣装は凝らしているが、武器(剣など)はダンボールに銀紙を貼りつけた張りぼてで、脅威を感じられず残念。

    梗概…竜や獣が存在する架空の世界。狩りを生業とする人達ー狩り人であるハクサとシュンギが主人公。2人は都を目指していたが、その道中、獣に襲われていた男・トマを助ける。トマは伝説の竜殺し、黒の竜殺しと呼ばれる男を探すため、ある村を目指していた。ハクサとシュンギは護衛も兼ねてその村まで同行したが…。

    当日パンフから、描きたかった「ファンタジー」を解釈すれば、倉田さんが演じた竜こそが、台詞にも出てくる大剣を表している。つまりファンタジー=竜=大剣と思われるから、物語の中心人物(本人)が何故 案内役を務めるのか?物語に入り込み 中心にいるべき存在だと思う。
    また別に黒い竜が存在し、その竜を殺した男を探し求める。竜は複数体おり、物語の云わんとする獣や竜は別のことを意味しているのでは?単に人間と他の生き物の生存をかけた戦いでは浅すぎてしまう。そして竜殺しを探している理由が、あまりに人間的すぎるのが残念。
    妖しく壮大なイメージの舞台であるが、雰囲気が先行し物語の面白さが追い付いていないのが残念。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2022/01/23 01:00

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  • mana 様

    コメントありがとうございました。そして公演お疲れ様でした。
    旗揚げということもあり、手探りでの公演だったと推察いたします。
    少し辛口のコメントと受け取られたかもしれませんが、今回は「奇譚録」という先入観を持っていたため、自分の思いと違ったなあと…。しかし、「縁は異なもの味なもの」という言葉があります。男女ではありませんが、劇団(「楽」さん)と観客(自分)の縁が出来たのも事実。これからの公演も楽しみにしております。

    2022/01/27 15:11

    この様な状況で劇場に足をお運び頂き、誠にありがとうございました。
    この度のバーベキュー、お口に合わないところもあったかとは思いますが、劇場という空間でお客様と作品を作る事が出来た事に感謝しております。
    今後とも劇団「楽」を宜しくお願い致します。

    2022/01/26 18:20

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