実演鑑賞
満足度★★★
確かに表層的には「奇譚録」といった雰囲気であるが、物語にそれほど”圧”を感じることはなかった。伝説の竜殺しと愛しき仲間たち~という内容であるが、竜殺しの意味するところが分かり難い。
妖しげな幻想世界を漂わせているが、時々 物語の間隙をねらって説明を入れるため雰囲気が定まらない。主宰の倉田楽 氏が、赤(い)竜役で登場し、物語の構成を説明する。本でいう章立のようで、物語の場面紹介をしている。全体的にダークさが漂うため、合間に箸休め的というか緩衝場面を挿入したのか?どちらにしてもあまり意味がなかったと思う。
公演の魅力は、奇異なメイク貌、独特な衣装といった外見、その姿でアクションを行い観(魅)せるところ。またキャストは演じていない、つまり登場シーンでない時は、上手か下手側の壁際で立ったり座ったりしながら、その場に居る。同一空間(舞台上)にいることによって、劇中での場所が違っても同じ時間が流れていることを意識させる。
物語は、人間と獣や竜との戦い…生存をかけた戦いを描いているが、舞台上で繰り広げられている事が料理であり、周りで観ているキャストは舞台(料理)を囃し立てるダンサーといったところか。物語の展開はそれほど複雑ではないことから、ほかの色々なことを想像してしまう。
(上演時間2時間 途中休憩なし)
2022/01/27 15:11
2022/01/26 18:20
コメントありがとうございました。そして公演お疲れ様でした。
旗揚げということもあり、手探りでの公演だったと推察いたします。
少し辛口のコメントと受け取られたかもしれませんが、今回は「奇譚録」という先入観を持っていたため、自分の思いと違ったなあと…。しかし、「縁は異なもの味なもの」という言葉があります。男女ではありませんが、劇団(「楽」さん)と観客(自分)の縁が出来たのも事実。これからの公演も楽しみにしております。