実演鑑賞
満足度★★★
タイトルが「斑点恋慕」であることから、過去・現在の3組の恋愛話が並行して展開するが、ある時に”思い”が交差し人間臭さがリアルに立ち上がる。物語は多少ご都合的なところもあるが、言葉を尽くしても分かり合えない心情シーンは、実に巧みに描いており上手い。
思いを素直に伝えることの難しさ、同時に一定期間を一緒に過ごした相手(男女)との心地好い距離感をどう保つのか、日常にみられる光景を淡々と紡いだ物語。深まる溝、持て余す気持、それでも時間は流れ続けるから相手との関係がますます隔たってしまう。それをシンプルな舞台美術で上手く表現している。
欲を言えば、ありふれた光景(単調ゆえ)にもう少しドラマ性を盛り込み、観客の感情を揺さぶってほしいところ。また演技に関して、台詞(読み)のままであったり、感情のこもった言葉(会話)になったりと安定しないところが気になった。
中央大学第二演劇研究会の公演を観るのは2回目。前回は「ふぐの皮」(2017年9月)で、池袋演劇祭参加作品であった。その時のイメージは、正攻法的で真面目といった印象であったが、本公演も同様(そういう作劇 伝統なのかな)。
(上演時間1時間30分)