「紅一点」 公演情報 演劇ユニット「みそじん」「「紅一点」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    全回取扱終了(完売)の超人気公演! 
    マンションの大家兼管理人、住人のコミカル騒動を通して、人との触れ合いを描いたハートフルコメディ。久し振りの みそじん公演、楽しめた。今まで観てきたのが女優だけで、女性ならではの繊細であり、ちょっぴり棘のある物語だった。「紅一点」は、初めて男優が登場し、今までと違ったパワフルさが新しい魅力として加わった。ただ、観(魅)せるために、飛び道具、少し強引かなと 思える笑い(爆笑と言うよりはニヤニヤ系)への誘いは、観客の受け止めかた次第。自分は素直に笑わせてもらった。
    (上演時間1時間20分)

    ネタバレBOX

    最前列は舞台近くにあり、エキサイティングシートとして案内していた。一瞬 観客参加型の場面があるのか訝しんだが、思い過ごしだった。マンションの部屋は基本的に同じ間取りという設定で、3話(部屋)の住人が巻き起こすドタバタを描きつつ、大家の目指す住人同士が助け合いが出来る環境を構築したい。昔ながらの長屋イメージ、住んでいる皆で子育て、調味料の貸し借りといった相互扶助的なマンション(管理)にしたい。

    舞台美術は、基本的な間取りは同じであるが、部屋ごとの調度品等(小道具)は異なる。同じイメージなのは正面の窓、吊るされるカーテンと下手にある壁飾り(柄や趣向は違う)。3話の場面転換時は直ぐに暗転しない。スタッフ・キャストが薄明かりの中で、配置換えを行うなどし場所が違っても同じ時間が流れている、その観客の意識を逸らさない工夫が巧い。住人の衣装はもちろん、大石さんはメイクも変え、人物表現に工夫を凝らす。

    物語ー各部屋の出来事は次のとおり。
    第1話「藁藁Ⅱ」ー黒木知恵与の部屋
    大家(生津徹サン)が住人・黒木知恵与(大石ともこサン)の部屋で藁を編む(イメージは しめ縄作り)ことを習ってみようと訪ねる話。2人で藁編の実演を行うが、大石さんが もたつく生津さんを 早く!早く!と煽る。2人のコミカルな遣り取りが笑える。
    第2話「ごく普通の暮らしについて」ー野村翔太・さち子夫婦の部屋
    離婚するため、さち子(大石サン)が荷造りをしているが、翔太(菊池豪サン)は納得していない。突然 さち子はフードファイターになるため渡米すると。引き留める夫、そんなところに引っ越しを手伝うため、さち子の弟/谷口雄二郎(田上晃吉サン)がやって来る。真意は子供が産めないため、自ら離婚を切り出し というありがちな話。
    第3話「お部屋の秘密Ⅱ」ーセイジの部屋
    3人組のバンド、セイジ(菊池サン)トオル(田上サン)ビリ子(大石サン)が、将来の見通しが立たないバンド活動に見切りをつけるか否かの言い争い。セイジとトオルは幼馴染で、なかなか話し出せないが、トオルとビリ子は付き合っている。セイジはメジャーデビュー出来そうな美味しい話があると聞き入れないが、結局トオルとビリ子は部屋を出て行く。

    第1話は藁編の実演、第2話はダンボール箱への隠れ、第3話は流しソーメンという飛び道具。もちろん話(各部屋)の関連性はなく、オムニバス的な描き方。大家が強引に流しソーメンを始め、いつの間にか登場人物全員が集まり、大家のマンション管理の理想”人との触れ合いを大切にする”を聞く住人達。冒頭、大家は親から相続したマンションの家賃収入で生活でき、無理して煩わしい、嫌なこと、そんな道を選択する必要がない。でも生き甲斐みたいなものは、という大家の願望が強く伝わるラストシーン。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2021/12/16 23:48

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