闇鍋音楽会vol.2 『The leg line』 公演情報 仮想定規「闇鍋音楽会vol.2 『The leg line』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    感情のツボを擽るように刺激し、クスッと笑わす絶妙な面白さ。未見の劇団だったが、よい出会いが出来てラッキー。公演はショー的に魅せるといった印象が強く、その中にドラマを展開させる、という凝らし方。そこには観客を楽しませる、といったサービスが観て取れる。実際、途中で換気休憩を入れるが、その間も役者の1人が観客参加型のゲームを行い、正解者?にプレゼントを進呈。もちろん換気の必要もあるが、場面転換や着替えに要する時間でもあり、効率よく舞台運営をしている。上手い!
    (上演時間1時間30分 途中休憩約10分) 

    ネタバレBOX

    舞台美術は、ぶら下がり健康器具の枠(キャスター付)のようなものが、客席側に3台、その後ろに2台置かれる。また客席と舞台の間に一㍍四方の板、その横にマイクが固定されている。これは劇中で2回タップダンスを踊るための仕掛けで、これがまた観(魅)せる。なお、タップダンスのテクニックは素晴らしいと思うが、少年・少女による演技は少し長いような(音楽の一曲と同様、ダンスにも仕舞があるのだろうか)。公演全体の流れが、一瞬止まり物語の世界観へ戻すには 力 が要ったのが少し残念。

    梗概…突然の悪天候、そんな中で公演を行うために準備する楽屋が舞台。果たしてこんな荒天候の中、観客が来るのか。そもそも出演者も色々な事情で全員が集まっていない。もう直ぐ幕が上がるが…。ちなみに器具枠は鏡であり、衣装掛けを表す。さらに落雷で停電し、蓄電源とペンライト等で段取りを話し合う中、僧侶・電気工事人・デリバリー配達人など、公演に関係のない人々が次々に現れる。出演者は往年の歌手:サラ、地下アイドル:ジル、歌手niceの姉:米田、いつの間にかデリバリー配達人:bridgeがラッパーになっている。そして劇場支配人:和也という異色な取り合わせ。個性豊かな人々が何とか公演を実現しようと、その姿に電気工事人や住職がそれぞれの専門ー電源確保という専門技術、木魚等による音響ーという協力をし、何とか公演を行う。当日の観客がリアル観客としてライヴ公演を聴いた、ということ。出来れば、上演開始迄の切羽詰まった緊張感をもっと漂わせれば、緩急ある展開になり観客の集中力・・ハラハラドキドキ感が増したと思う。

    器具枠に銀ラメ、リバーシブルで色鮮やかな5色の幕を掛け、可動し華やかな舞台を演出する。専門の楽器を利用することなく、歌はアカペラ「青い星」、音響は木魚や玩具、ダンボール箱への打突で味わいと特徴ある効果音で奏でる?という荒業。それが何とも可笑しみがあり印象深い。窮地にあっても演じる者の矜持といったものを表す。劇場支配人の小学生時代の思い出話は、例え観客1人(それが子供)であっても、役者は真剣に演ずる。また劇場は災害等が起きた時の避難場所でもあり、その意味では寺と同様だは蘊蓄話。

    まさしく停電という闇設定の中での疑似公演ー闇鍋音楽会vol.2はleg lineを超えて踏み出す一歩になったように思う。次回公演も楽しみにしております。

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    2021/12/10 00:07

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