実演鑑賞
満足度★★★★
久々の扉座観劇は、思い出深い演目ゆえ。もう20年も前のこと、知人の紹介でその知人が関わる西東京あたりの地域劇団がこの戯曲を上演するのを見て、笑った。あの芝居がこれだと判ったのは、題名に「厚木高校・・」と副題が付いているのを見てもしやと色々調べたからで、この演目は誠に横内氏の「私戯曲」であることが今回改めて観て非常によく判った。
劇団40周年に寄せ、祝祭的出し物を売れっ子俳優も総動員で実現させたようである。
扉座はしばしば踊りを多用する劇団だが、今回も踊りはキーになっており、取って付けた感なく芝居にがっつり噛んで堪能できた。「ホテル・カリフォルニア」を皮切りに70~80年代洋楽も全開で、音楽とダンスの高揚を織り込んで高校生活の断面を描いた弾けた劇世界を、おっさんおばさんが衒いなくやっている。
はっきり言えば私が20年前観た芝居の方が芝居として愛せたし、この戯曲自体若者らに書かれたと言って良い、むしろ若者らに是非やってほしい作品だなと感じ入った次第であるが、此度は扉座のアニバーサリーな趣向に乗り、大いに拍手をさせてもらった。