ジャンガリアン 公演情報 文学座「ジャンガリアン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    横山拓也作、松本祐子演出の信頼できるメインスタッフと、文学座の安定したアンサンブルで、時間を短く感じる舞台だった。老舗豚カツ屋を継いだ長男琢己(林田一高)が、リニューアル工事にかかる前日に突然倒れてしまう。そこから歯車が狂っていく。

    モンゴル人の留学生(奥田一平)が「ジャンガリアンハムレット」をネズミ退治(ナワバリ意識を使う)に持ってきたのだが、琢己の入院中に、雇ってくれという。妻の愛(吉野美沙)が雇うと決めるが、自分のいない間に決められた琢己は面白くない。必要以上に意固地になって、「外国人なんて胡散臭い奴らだ」と差別意識をむき出しにする。
    急にいろんな軋轢が起き、言わないでもいいことを言ってしまい、傷つけたり自己嫌悪に陥ったり。人間関係と内心の機微を丁寧に描いてよかった。
    琢己と愛の夫婦の衝突と和解が心に響いた。

    ネタバレBOX

    板前の大将(高橋克明)が、最初は家族の口論に、どっちつかずの生返事の責任回避が笑いを誘った。最初はモンゴル人を嫌がっていたのが、次第に昔の自分と同じじゃないかと、考えを変えていくのがいい。

    ベテランたかお鷹が、家を出て行った父親役として、いい味を出していた。ジャンガリアンも店のリニューアルも彼が知恵を出していたというから、裏のキーパーソンだ。70歳の設定だが、「店はどんな人も、いらっしゃいませとうけいれなきゃだめだ。客も従業員も同じだ」という教えに説得力があった。

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    2021/11/15 22:11

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